英語を身につけるために必要な、「観察力」とは?
「読む・書く・聞く・話す」以外に必要な技能は?
異なる国の人たちとコミュニケーションを取りたいとき、世界中で広く使われている英語は役に立つ言語です。しかし、単に英語の語彙や文法を学んで得た知識だけでは、実際に相手との密なコミュニケーションを図るには十分でない場合もあります。学校で習う「読む・書く・聞く・話す」という4つの技能のほかに、英語にはもう一つ必要な技能があります。それは「観察」(observation)です。
シャーロック・ホームズのように観察する?
例えば、「Hello」という言葉は、比較的明るいトーンで発せられる挨拶の言葉としての役割のほかに、主にイギリスで、少し驚いたようなトーンで発せられる「おやまぁ」「何これ」という意味合いの言葉としても用いられることがあります。こうした使い分けは、イントネーションの違いだけでなく、誰がどういうときにどんな状況で発した言葉なのか、その場面のコンテクスト(文脈)を読み取ることで理解できるようになります。名探偵のシャーロック・ホームズが対峙した相手や犯行現場をつぶさに観察して、さまざまなディテールから真実を読み取るように、「観察」によって理解できるコミュニケーションの場面はたくさんあるのです。
ほかの国との文化の違いについて学ぶ
異なる国の人とのコミュニケーションについて学ぶときには、言語だけでなく、その国の文化についても学ぶ必要があります。例えば、何かについて謝るとき、日本人は「すみません」と言いながら少し笑みを浮かべる場合が多くありますが、欧米諸国の人々は決して笑わず、シリアスな表情で謝罪します。
英語圏では表情やボディランゲージを用いて、日本人よりはっきりと感情を伝えます。語彙や文法の知識だけでなく、「観察」や「経験」を通じて、国や地域ごとの文化の違いを理解する努力をすることが、「世界について知る」ことへとつながっていくのです。
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先生情報 / 大学情報
武蔵野大学 グローバル学部 グローバルコミュニケーション学科 教授 A.C. イハタ 先生
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