最新技術で、人間の作業をアシストする
カメラを使い目視検査を自動化する
工場で製品を作る際、材料や部品に混入している異物を取り除くための目視検査が行われます。しかし人間のすることに絶対はありませんし、例えば原料が小豆のようなものだとサイズや色合いのよく似た小石が混じっているなど、見極めが難しいこともあります。そこで作業のアシストに使われているのがカメラを用いた画像処理技術です。普通の石は通常のカメラ、小豆と似た色合いの石は赤外線カメラと、複数のカメラを使い分けて判別することによって精度を上げることができます。
大量のものを正確に数える
また出荷の際には、数百と積まれた製品をひとつずつ数えるという単純作業があります。鉄板のように一枚当たりの厚さが正確であれば全体の高さを測ることで枚数も導き出せるのですが、ベニヤ板のようなものだとそうはいきません。ベニヤ板は水分を含むと膨らみ、あるいは下の方は重さで圧縮されるなど、同じ枚数でも厚さが異なるからです。ほかにも熱交換器に使われる大量のパイプの清掃など、工場内には「数える」必要のある作業が意外にたくさんあります。そうした作業もカメラが手助けすることで、スムーズに行えるのです。
重いものを運ぶ
一方、部品や完成した製品の運搬も作業者の負担になっています。運搬は主に物流会社の作業員が担っているのですが、20キロ以上もある重い商品を何個も運ばなければならないなど、かなりの重労働もあります。身体への負担を軽減するためねじる動きをなくすなど、作業の動きを変えるのもひとつの手なのですが、作業効率が落ちてしまうケースが多いのです。
そこで、もともとは農作業や介護用に開発された、ゴムバンドの弾性や電動の仕掛け、人工筋肉などを動力に用いた人の動きをアシストするスーツ型の装置が注目されています。しかし付加価値を生まない作業にどれほどのコストをかけられるのかという点からも導入はなかなか進まず、汎用化までにはまだ課題が残されています。
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先生情報 / 大学情報
東京都立大学 システムデザイン学部 電子情報システム工学科 教授 梶原 康博 先生
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