画像診断機器の進歩と共に高まる「診療放射線技師」のニーズ
がんは見つけやすくなっている
コンピュータの発展により画像診断機器も高性能化し、精密な画像が撮れるようになりました。PET(陽電子放射断層撮影)であれば5ミリほどのがんを発見できます。近年ライフスタイルの欧米化により乳がんや子宮頸がんにかかる人が増加しているのですが、女性特有のがんの発見に使われるマンモグラフィーや超音波検査技術も向上しています。乳がんは好発年齢が低く、また進行速度が速いものもあり、転移しやすいという特徴があり、マンモグラフィーと超音波検査の両方を行える国家資格である診療放射線技師のニーズが高まっています。また、がん以外の病気、例えば認知症などもそれに特化したソフトウエアが開発されて診断に役立っており、現段階の脳の体積がどのくらいで1年後に何パーセント落ちるかを予測できるようになっています。
がん検診受診率が上がらない理由
がんを早期発見するには、がん検診の受診率を上げることが肝要です。そこで検診受診率50パーセントをめざし、2006年にがん対策基本法が成立したのですが、病気になるまで病院に行かないという日本人の国民性があり、なかなか受診率が上がりません。乳がんにしてもピンクリボンキャンペーンなどが行われているのですが、まず視触診への抵抗感が拭いきれていないのです。そのため診療放射線技師の中でも、特に女性技師の養成が急務とされています。
高まる診療放射線技師の重要性
画像診断機器の高性能化は単に画像が精密化しただけではなく、今まで撮影できなかった部位が撮影できるようになりました。必然的に画像の枚数も膨大になり、チェックに要する時間が確実に増えています。その負担を減らすために、人工知能による読影補助が模索されていますが、いずれにしても最終的には人の目による確認が必要です。
診断自体は医師が行いますが、事前に異常の洗い出しを行うのは診療放射線技師です。ですから、診療放射線技師は常に読影スキルを磨き、新技術に適応していく必要があるのです。
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先生情報 / 大学情報
新潟医療福祉大学 医療技術学部 診療放射線学科 教授 児玉 直樹 先生
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