観客が撮影した映像を集めて新コンテンツを!
スマホを持った人みんなが「カメラマン」
サッカーをテレビ観戦していて、重要なプレーが死角になって見えなかったら、あなたはがっかりしませんか? 国際大会は複数のカメラが選手をとらえているので、別の角度から撮影した画像が再生されますが、小規模な大会ではそうもいきません。
しかし、発想を変えてみましょう。私たちは動画撮影が可能なスマホを持っています。観客全員がカメラマンとなり、みんなで同時に撮影した画像を1つにしたらどうでしょう? 多くの視点から撮影したデータをサーバーにアップし加工すると今までにない「多視点映像」の面白いコンテンツをつくることが可能です。
より多くのデータを速く正確に処理する
ネットワーク通信が発達し、カメラの性能が向上、センサー(加速度、コンパス)やGPS機能を備えた端末が普及している今、より多くの視点から映像が得られれば、コンテンツの魅力は増します。スター選手をいろいろな角度から見たり、立体映像やパノラマ映像をつくったり、臨場感あふれるコンテンツができるでしょう。観客が試合のどこを見ているかの分析も面白いでしょう。さまざまな映像をニーズに合わせて分析することにより、競技力の向上につなげる使い方も有効です。より多くのデータを速く正確に処理するコンピュータプログラムの開発が期待されています。
エンターテインメントにも広がる可能性
SNSが発達し、特定のチームのファンは情報交換を盛んに行っています。個人が撮影した動画を共有したり、複数のファンによる映像を加工して公式サイト上で紹介したりするなど、新しいスポーツの見方が生まれています。東京オリンピックに向けても、スポーツに関する映像技術の革新に向けた取り組みが求められています。
また、多くの視点で撮影した映像を活用する手法は、舞台芸術、コンサートやライブなどのエンターテインメントや、地域や学校で開催されるイベントでも活用できる可能性もあり、新しい楽しみ方ができるようになるかもしれません。
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先生情報 / 大学情報
福井大学 工学部 電気電子情報工学科 教授 東海 彰吾 先生
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