トンネル崩壊事故などの予兆を検知するポリマー光ファイバーの可能性

トンネル崩壊事故などの予兆を検知するポリマー光ファイバーの可能性

光ファイバーは「センサ」としても利用できる!

インターネット通信などで利用されている光ファイバーですが、「センサ」としての利用も期待されています。センサとは、物理法則や化学法則を使って、対象物に起こった変化を、人間が感知しやすい信号に変換する装置のことです。光ファイバーは、圧力など何かの力が加わると密度が変わったり、熱が加わると内部で電子が活性化したりして、通した光や入力した信号が変化してしまうので、通信手段としては利用できなくなります。
この「信号が変わってしまう」という性質を逆に利用しようというのが、「光ファイバーをセンサとして活用する」という研究です。つまり信号の変化から、光ファイバーに何らかの力が加わったことを検知しようというのです。

「ポリマー光ファイバー」の特性を生かして

センサとして利用するのは、通信などに使用されるガラス(石英)のものではなく、プラスチックの「ポリマー光ファイバー」が向いています。ガラスは引き伸ばしたり加工したりするのに1000℃以上の高温を必要とします。一方ポリマーは、200~300℃で手軽に加工することができ便利です。
また、ポリマーであればガラスには入れられない色素を入れられます。色素を入れることができれば、圧力などがかかった場合に起こる光の微妙な屈折の変化を、高性能な検出器を使用するまでもなく、はっきりと「色の変化」として可視化して確認することができるのです。

インフラ管理に活用の道を探る

ポリマー光ファイバーをトンネルや水道管に張り巡らせて、センサとして実用化することが検討されています。もしトンネルのある部分が劣化や老朽化で崩れかかった場合、光ファイバーが圧力を感じて、送られてくる光が変化します。それを検知することで、即座に異常を知り、大事故を未然に防ぐことができると期待されているのです。また地震の衝撃を受けた建物が、今後も安全に住めるかどうかなどを判断するのにも役立つのではないかと考えられています。

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電気通信大学 情報理工学域 III類(理工系) 電子工学プログラム 准教授 古川 怜 先生

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高校生のあなたは今進路を選ぶ時期ですよね。どんな進路を選んでも、希望通りに進んでも進めなくても、絶対にその先にいいことと悪いことの両方があります。いいことや楽しいことばかりで、嫌なことや大変なことが何もない道というのはありません。
どんな道なら大変なことでも乗り越えていけるか、自分の心の声を聞いてほしいと思います。どんな道を選ぶにしても、最後は自分で決めることが大事です。自分で選んだのであれば、そこでどんなことがあっても、あなたはきっと大丈夫です。

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