表現とデジタル技術を組み合わせて、情報を「デザイン」する
表現とデジタル技術を組み合わせる
「情報デザイン」とは、さまざまな情報を、必要な人に的確に伝える方法を「デザイン」することです。現代は高度な情報化社会で、膨大な情報が生まれ、発信されています。また、デジタル技術や機器の発達と普及によって、情報を伝える手段は、実に多彩多様に発展し、まだまだ進化を続けています。
デジタル技術を駆使して、情報をデザインすることが探究されていますが、その1つに、漫画やイラスト、アニメーションなどの表現を、デジタル技術と組み合わせる方法があります。あなたが使っているゲームやアプリの中にも、漫画やイラストとデジタル技術を組み合わせたものが、数多くあるでしょう。
博物館の展示を革新的なものにする
美術館や博物館などの公共の場をデザインする「社会デザイン」の分野でも、デジタル技術と表現を組み合わせる方法が研究、活用されています。
例えば、博物館で恐竜の企画をするとき、従来は発掘された恐竜の骨や、骨をもとに作ったジオラマ、恐竜時代の地球の想像図、パネルでの解説などが一般的でした。ところが、デジタル技術と絵画やアニメーションなどの表現を組み合わせると、恐竜が古代の地球で生きて生活している様子を見せることができるのです。見る人の動きに合わせたり、反応したりする展示も可能です。
人と社会のよりよい関係を構築する
さらに、デジタル技術を駆使して、聴覚障がいのある人が、人形劇を健常者と同じように楽しむ方法も研究されています。聴覚障がいのある人は、人形のセリフを文字にすれば、人形劇を楽しむことができます。ただし、文字で示されたセリフを、どの人形が喋ったのかが瞬時に理解できなければなりません。そこで、セリフを文字情報にし、それぞれの人形の動きに合わせて動くようにプログラミングすることで、音声に頼らずに人形劇を楽しむことができるようになります。このように、「情報をデザインする」ことで、人と社会の関係をよりよくすることも可能になるのです。
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先生情報 / 大学情報
多摩美術大学 美術学部 情報デザイン学科 教授 楠 房子 先生
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