人とコンピュータの未来をデザインする「インタラクションデザイン」
「インタラクションデザイン」とは
「インタラクション(interaction)」とは相互作用という意味です。現在では主に、「コンピュータ(システム)と人間との情報のやりとり」という意味合いで使用されています。コンピュータを利用するとき、私たちはキーボードやマウスで、コンピュータに「命令」を発し、コンピュータはその命令に反応して動作を起こします。その双方向のやり取りを設計することを総称して、「インタラクションデザイン」と呼びます。
新しい生活様式や価値を生み出す力も
インタラクションデザインには、人間とコンピュータとの関係性そのものをデザインし、新しい生活様式や価値観を生み出す力があります。例えば、「体験の提供」もその1つです。人間は、新しい製品に対して、体験し共感することで、初めて購入する気になるものです。ですから、新しいゲームソフトを売り出すとき、従来は、そのゲームソフトのデモ版を大量生産し配って体験してもらったものです。今では、デモ版は無料でダウンロードが可能になりました。「体験を提供する」というインタラクションデザインが実現したからなのです。
コンピュータによる金銭決済も、インタラクションデザインの成果の1つです。これによって、自宅にいながら、世界中から商品を購入することができるようになり、社会に大きな変化をもたらしています。
出でよ! 未来をデザインする人材
ほかにも、インタラクションデザインが生み出した仕組みは数多くあり、今後もイノベーション(技術革新)の原動力となることは間違いありません。こうした未来を創造するようなインタラクションデザインを生み出すためには、コンピュータ工学だけでなく認知科学などの知識やデザイン力なども必要です。
「デザインができる工学博士」「製品設計ができるアーティスト」といった、学際的な能力を持つ人材です。インタラクションデザインの発展のために、今、そうした人材が求められているのです。
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先生情報 / 大学情報
東京都立大学 システムデザイン学部 インダストリアルアート学科 准教授 馬場 哲晃 先生
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インタラクションデザイン、芸術工学先生への質問
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