赤ちゃんこそ理想のロボット
ロボットの動きがぎこちないのはなぜ?
技術の発展にともない、現在では多くの国でヒューマノイドと呼ばれる人型ロボットが造られるようになりました。しかしそれらをよく見ると、人間とは動きが異なり、不自然な印象があります。なぜならこれらのロボットは、構造が人間と違うからです。一番の違いが関節で、例えばホンダが製作したASIMOが30数個の関節しかないのに対し、人間の関節は200以上もあります。さらに人間は伸び縮みする筋肉も持っているため、いろいろな動きをスムーズにこなすことができるのです。
人間のように動かすのは難しい
しかし擬似的な人工筋肉を備え、関節の多いロボットを造ったとしても、やはり人間と同じように動かすのは難しいでしょう。まず関節を増やすということは、動きを制御し、調整を行う箇所が増えることを意味します。人間の場合はそれをすべて脳が処理していますが、現在の最先端の制御法でもたかだか30数個の関節を協調してうまく制御するのは大変なことなのです。また人間は、視覚や触覚など各感覚器から得た情報も同時に処理して、動きと感覚を組み合わせて判断をします。これらのことはとても高度で、現段階の技術ではどうプログラムを組んだらよいかすらわかっていません。
成長=データの蓄積
仮にコンピュータが進化し、より多くの動きをプログラミングできるようになったとしても、ロボットはプログラミングされたことしか対応できません。そう考えると、将来的にはロボット自身が得た情報を基に発達・成長していくプログラムが理想となるでしょう。実は人間が正にそうで、赤ちゃんのときは自分の体も思うように動かせませんが、徐々に手足を動かしながらさまざまなことを学習していきます。言うなれば、長い年月をかけながら膨大なデータを蓄積しているのです。ロボットに必要な機能はまさにそれです。さらにロボットならばデータの引き継ぎやある程度の知識をインプットしておくこともできますから、人間より高速でさまざまなことに対応できる可能性があると言えます。
参考資料
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