災害のリスクをマネジメントし、被害を最小限に食い止める!
自然災害の多い日本で求められる防災対策
私たちは豪雨や地震などによる災害がたくさん発生する国で暮らしています。それぞれの地域で起こり得る災害を予測し、これに耐える対策を講じることは理想ですが、このための防災予算は決して十分ではありません。それでは、今後の降雨量の増大や大地震の発生に対し、限られた予算で被害を最小限に食い止め、被災者を一人でも減らすためには、どうすればいいのでしょうか?
マネジメントとは「どうにかこうにかする」こと
「マネジメント」はしばしば「管理」と訳されますが、言葉の本来のニュアンスは「どうにかこうにかする」という意味に近いのです。
例えば、サッカーの試合で後半30分が経過し0対0、1点入れなければワールドカップに出場できないという場面を想像してみてください。最終ラインを押し上げて攻撃すれば得点のチャンスは広がりますが(良いリスク)、カウンターで失点するかもしれません(悪いリスク)。それでもこれをカバーするフィールドプレーヤーを増やすわけにはいかないのです。サッカーは11人で行うスポーツであり、良いリスクを残し、悪いリスクを減らすというのもこの11人で「どうにかこうにかする」ことが求められます。これをサッカーの「リスクマネジメント」と言います。
「サッカーは11人で行う」という条件は、「防災のための予算が限られている状況」と似ています。防災・減災のための予算は無限ではないので、限られたコストで最大の効果を生む対応が求められます。サッカーでは状況に応じて攻撃・守備それぞれの穴を埋めながら得点を狙うように、防災・減災においてはリスクに応じて、対応を工夫する必要があるのです。
最も効果的な防災計画を策定
防災の限られた予算で、住・社会経済環境への豪雨や地震などの影響を最小限に抑えるためには、災害のリスクに対し、対象箇所の重要性、災害を起こさない対策や被害を軽減する対策の経済性・リスクの低減効果・費用対効果などを考慮して、最も効果的な防災計画(対応)を策定する必要があります。
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先生情報 / 大学情報
富山大学 都市デザイン学部 都市・交通デザイン学科 教授 原 隆史 先生
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