食べることは生きること! 管理栄養士は人の行動を変えられる!
生活は「食べること」を基盤に成り立っている
生活の質(QOL)を向上させるための要因はいろいろありますが、中でも食事は大きく関わります。たとえ病気になったとしても、食事は必要ですし、食べ方のポイントさえ押さえれば、楽しく食べることもでき、それが生活の質を高めることにつながっていくからです。それだけ私たちの生活にとって「食べる」ことは重要な役割を担います。そうした点からも傷病者への栄養指導をはじめ、食育や学校給食の指導などを行う管理栄養士の役割は重要で、飽食の時代だからこそ必要とされる場面は多岐にわたります。
アスリートのウェイトコントロールの食事学
アスリートに対するスポーツ栄養学が近年、注目を集めています。練習の内容はもちろん、選手が試合で最大限の力を発揮するために、どのタイミングで何を摂取すればいいのか、さまざまな研究が進んでいます。世界で活躍するトップアスリートは何を食べているのでしょうか。レスリングなど短期間に急速な減量が必要な場合や、新体操やフィギュアスケートなど見た目の美しさも求められる競技では、食べないこともひとつの選択肢です。確かに食べなければ脂肪は減りますが、筋肉量も減ってしまうとアスリートとして力を発揮できなくなります。また食べていないのに痩せなくなるという現象も起こります。食べないことが適切なのか、食べることでエネルギーを消費することが有効なのか、競技や個人差なども考慮した管理栄養士のサポートを受けるアスリートも増えています。
意識を変え、行動を変えるのも管理栄養士の手腕
ウェイトオーバーだから食べる量を減らさなければならないけど、「大盛りを頼んでしまう」という人はたくさんいますし、「栄養士の指導は受けたくない」と頑な人もいます。そうした人たちの意識を変え、行動を変えさせることにも管理栄養士の手腕が求められます。
対象者と十分にコミュニケーションを図り理解を深め、その人に寄り添いながら多面的に支援できる管理栄養士が、今後ますます求められていくでしょう。
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先生情報 / 大学情報
宮城学院女子大学 生活科学部 食品栄養学科 准教授 丹野 久美子 先生
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