制度とガバナンスを考える
政策問題を個人、組織、制度から考える
政策問題は、個人、組織、制度と複数のレベルから捉えることができます。個人の優れた取り組みは、組織が採用することでその対象範囲が広がります。そして、制度として採用されることで、さらに大きな波及効果を持つことになります。その一方で、制度には「強制力」もあります。ゲームのルールである制度の設計の仕方によっては、制度が「制約条件」となる場合もあります。そのため、誰がどこで、何をどうやって決めているのかというガバナンスに着目することはとても重要です。
政策問題を議論する場への注目
ガバナンスを考える上では、政策問題に関わる議論を行う場が開かれていることが大切になります。とくに、誰がそこに参加しているのか、どのような議論がなされているのかについて、情報が公開されることが望ましいです。例えば、教育政策について言えば、首長(都道府県知事や市町村長)と教育委員会が定期的に話し合う場として「総合教育会議」が設置されました。それぞれの立場から教育問題にどのような優先順位をつけて、どのような手段を用いて、その解決のために取り組むのかを議論します。また、この会議では小学生から高校生までが当事者として、また様々な教育活動を展開する実践者や専門家が参加をして議論を行うこともあります。
私たちには何ができるのか
総合教育会議は、原則公開のため、傍聴することが可能ですし、その議事録を読むことも可能です。研究者だけではなく、わたしたち市民が身近な教育問題について、何が争点になっているのか、どのような課題を解決しようとしているのかを知ることができます。一人一人が関心を持ち続けることが、より良い政策を追究することの一歩でもあります。関心を持った事柄について、ガバナンスの観点から、解明することが大切です。
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