美肌づくりの「栄養学」

美肌づくりの「栄養学」

人間の体で一番大きな臓器って何?

人間の体で一番大きな臓器は何か知っていますか? ちょっと意外かもしれませんが、それは体重の約16%を占める皮膚です。皮膚は簡単に目で確認できる臓器なので、体内の状態を知る糸口になります。つまり、肌は「体内の調子を映し出す鏡」なのです。もし、美肌になりたいなら、スキンケアやメイクアップなどの外面的な美容だけではなく、バランスがとれた食生活など、体の内側からきれいになることにも気を配らなくてはなりません。

生まれた瞬間から加齢が進む!

美しい肌を保つには、皮膚細胞の老化を防ぐことも大切です。赤ちゃんとあなたの肌を比べてみればわかりますが、誕生すると同時に、すぐに加齢がはじまり、細胞レベルで老化が進みます。
老化を促進させる大きな原因は「活性酸素による酸化」や「過剰な糖によるタンパク質の糖化」だと考えられています。肌の老化を防ぐためには、ビタミンCに代表される抗酸化作用のある栄養成分を積極的にとることが有効です。また、スイーツや間食をなるべく控えて必要以上に血糖値を上げないよう心がけることも、美肌づくりにとって重要なのです。

植物の恩恵を受けて、美しい肌をつくる!

最近注目されている食品成分に、野菜や果物に含まれている「ファイトケミカル(phytochemical)」とよばれる物質があります。「ファイト」はギリシャ語で「植物」という意味で、植物中に存在する天然の化学物質のことです。植物は根を生やしているので、その場所から動けません。そのため、日光などの紫外線や害虫、病原菌などから自分自身の身を守るため、さまざまな防御物質をつくっています。それらの物質の中には、抗酸化力、免疫力のアップなど、人間の健康の維持・増進にも役立つものがあります。美肌づくりのみならず、生活習慣病予防のためにも、野菜や果物を積極的に食べることによる効果が期待できるのです。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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先生情報 / 大学情報

椙山女学園大学 生活科学部 管理栄養学科 教授 大口 健司 先生

椙山女学園大学 生活科学部 管理栄養学科 教授 大口 健司 先生

興味が湧いてきたら、この学問がオススメ!

栄養学、生化学、細胞生物学

メッセージ

私たちの体は摂取した栄養成分によってつくられています。体の中には素晴らしい仕組みがたくさん備わっていて、それらについて深く学べるのが栄養学の魅力です。
近年、肥満・高血圧・糖尿病などのいわゆる「生活習慣病」は増加の一途をたどっています。これらの病気の多くは、食生活を中心とした日頃の生活習慣を改善することによって減らすことが可能です。その大切な役割を担っているのが栄養士・管理栄養士なのです。

先生への質問

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「わたしは、食と健康の、スペシャリストになる。」
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管理栄養士の活躍は、今や医療や高齢者福祉の場だけでなく、学校教育やスポーツ、さらに産業・ビジネスの分野へと広がっています。食や健康への関心が高まり続ける中、管理栄養学科では高度な知識を身に付けると同時に実践的なプロジェクトなどの体験的な学びを充実させ、あらゆる課題に対処できる「食と健康のスペシャリスト」を養成します。