ITやSNSを活用したスポーツ支援が進んでいる!

ITやSNSを活用したスポーツ支援が進んでいる!

スポーツの世界で広がるIT化

ITの活用は、近年、スポーツ分野にも広がっています。選手の身体やラケットなどの道具につけたセンサからデータを取得してプレイの内容を解析することや、タブレット端末を使って選手に作戦やアドバイスを伝えるなど、さまざまな支援ができるようになりました。ITを用いて得られた情報を、選手の育成にどう活用するのかという研究も進んでいます。
例えば、2004年アテネ五輪・男子ハンマー投げ金メダリストで、研究者としても活動する室伏広治さんは、自身のハンマーに付けたセンサで計測した角加速度(回転方向の加速度)を音に変換してフィードバックし、トレーニングに活用しています。

ソーシャルメディアを教材に

あなたが普段使っているSNSなどのソーシャルメディアを、スポーツの教材として活用するシステムの研究も行われています。例えば、動画共有サイトに投稿された縄跳びの動画をコンピュータで分析し、ほかの数ある縄跳び動画の中から、撮影された人の動きの改善に役立つ動画を選んでフィードバックすれば、周りに教えてくれる人がいなくても、上達するコツを学べます。
また、ウェアラブルセンサを身につけた人間の動きを、擬音語や擬声語、擬態語を用いてマンガのコマ風に置き換えれば、運動のコツをより直感的に伝えることができます。こうした伝え方の研究が進めば、近くにコーチがいなくても、SNSを活用して自ら学び、うまくなれるのです。

ITがスポーツの常識を変える!?

ITを生かしたスポーツ支援は、プロのアスリートだけでなく、一般のスポーツ愛好者、高齢者のリハビリにも適用できる可能性を秘めています。それにともない、これまでと違った新しいスポーツ競技の形を生み出そうという動きも起こっています。先端技術を用いて人間の身体能力を向上することができれば、年齢や性別、障がいの有無といった垣根を超えて、みんなが同じフィールドで競い合うことも可能になるでしょう。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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先生情報 / 大学情報

香川大学 創造工学部 創造工学科 造形・メディアデザインコース 教授 後藤田 中 先生

香川大学 創造工学部 創造工学科 造形・メディアデザインコース 教授 後藤田 中 先生

興味が湧いてきたら、この学問がオススメ!

スポーツ工学、情報工学

先生が目指すSDGs

メッセージ

スポーツを「仕事」にしているのは、プロのアスリートだけではありません。競技をするだけでなく、選手の技術向上への支援や競技をビジネスにつなげる工夫など、選手の環境をデザインすることもまた、大切な仕事なのです。例えば、選手の身体の動きをマンガ風に視覚化し、フォーム改善のヒントに役立てるのも、スポーツ支援の可能性を秘めています。私は、学生時代に取り組んでいた研究を病気で続けられなくなり、現在の研究に方向転換しました。失敗や挫折にもヒントがあり、道が開けます。何事にも一生懸命取り組んでみてください。

先生への質問

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香川大学は、「知」が価値を持つ時代、21世紀にふさわしい大学になろうとしています。また、個性と競争力を高めるために「地域に根ざした学生中心の大学」をめざしています。
瀬戸内の温暖な気候と豊かな自然にはぐくまれた香川大学は、6学部8研究科(専門職大学院を含む)を擁し、専門分野のバランスがよい総合大学に発展しており、それらの機能を活かし、創造性豊かな人材を養成します。また、「出口から見た教育の重視」をかかげ、教育の質を向上させ、国際的にも活躍できる人材の養成に努めます。