生きづらさを解消するための教育とは?
今の若者は、生きづらい?
生きづらさを感じている若者が増えています。サークル活動、アルバイト、SNS、就職活動など、常に何かに追われていて、学生生活を楽しむ余裕もありません。友人関係でも傷つけ合わないように衝突を避け、変な気の使い方をしたりします。
今一度立ち止まって、日常をふり返ってみましょう。学校で私たちは何を学んでいますか? 学びが日常に生かされていますか? 大学に進学する人の割合は増えているのになぜ世界の状況はよくならないのでしょう。教育は平和な社会づくりに貢献できないのでしょうか。こうした問いを考えていくのがESD(持続可能な開発のための教育)です。
先生に意見を言える、イギリスの小学生
授業で環境問題や戦争について子どもは学びます。節約をしましょう、人を傷つけてはいけません……それらを守らないと、先生が注意します。しかし、先生たちはどうでしょうか? ここでイギリスのある小学校の実践を紹介します。
子どもが校内のエネルギー消費量をチェックしたところ、月曜日がとりわけ多いことがわかりました。原因は先生たちが1週間分の授業準備をするために、コピー機を使っていたからでした。そこで、コピーの枚数を減らすため、ITを使ったデータのやりとりに替えるよう、子どもが提案しました。先生たちはその意見を受け入れました。もちろん、校内のエネルギーの消費量も減りました。
子どもの学びが問題解決に生きていること、また子どもが学校運営に関わり、意見を言える環境ができていることがこの実践からわかります。
多方面から行動や価値観を見つめ直す教育
ESDは、環境破壊・生物多様性の喪失・差別・偏見などの大きなテーマを扱います。ESDとは、自分の振る舞いや価値観を見つめ直して、自らの行動1つひとつを改善することにほかなりません。
自分の行動が環境破壊につながっていないか、他者を傷つけていないかなど、日常をふり返り、自分が問題を解決する担い手となり、新たな社会づくりに貢献していくための力を育むのです。
※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。
※夢ナビ講義の内容に関するお問い合わせには対応しておりません。
先生情報 / 大学情報
名古屋市立大学 人文社会学部 心理教育学科 准教授 曽我 幸代 先生
興味が湧いてきたら、この学問がオススメ!
教育学、教育社会学先生が目指すSDGs
先生への質問
- 先生の学問へのきっかけは?
- 先輩たちはどんな仕事に携わっているの?