健康にイキイキと働くための心理学
企業が求める心理の専門家の役割
心理の専門家といえば、面談室の中で1対1になって、心の悩みを聴く人というイメージを持っている人が多いかもしれません。しかし、働く人たちをサポートする心理の専門家が企業に求められているのは、働く人たちの心の不調への対応だけではありません。働く人たちが快適でイキイキと働き続けられるコンディションを維持し、仕事で成果を発揮できるように支援することが求められるのです。そこで、働く人たちを支援する心理の専門家は3つの予防アプローチを行っています。
3つの予防アプローチで働く人たちを支援
一次予防は、働く人たち全員が自分自身のストレス状態に気づき、ストレスによる不調を未然に予防するアプローチです。部活に例えると、試合や大会で良い結果を出すために、自分の強みと弱みを理解して練習方法を考えたり、チーム力向上のためにコミュニケーションをとったりすることです。
二次予防は、リスク保持者が対象です。部活でスランプに陥った人や休みがちな部員がいれば、早めに声掛けするなどサポートが必要でしょう。職場でも早期発見・早期介入で、不調のサインのある人に対して早めに心のケアをしていきます。
三次予防は、心のバランスを崩して仕事を休むことになった人が職場復帰するのを支え、再び休まなくてもいいようにフォローすることです。部活でいえば、けがをして休んでいた部員が治療して復帰し、けがを再発させずに練習できるようにサポートすることにあたります。職場では、働きやすい環境や組織づくりを提案するのも役割のひとつです。
社会に生きる心理学を学ぼう!
産業・組織心理学は、絶えず変化していく社会の中で、いかに適応し、生活していくかという課題について心理学の観点から研究する学問です。その中でも、働く人たちの心理的支援は、社内の健康管理室や人材育成部門、病院やハローワークで復職支援をしている施設、企業のストレスチェックや職場環境づくりなどを支援する法人など、社会のニーズとともに生かせる場が広がってきています。
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先生情報 / 大学情報
神戸学院大学 心理学部 心理学科 准教授 中川 裕美 先生
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