「遊び」を通して多面的に成長する幼児期の子どもたち
毎日成長する子ども
子どもは一日一日成長します。心の成長が感じられる言葉が、ある日ポンと飛び出します。保育者は、子どもの将来のためにいろいろな経験をしてもらうために、うまく導かなければならないので責任は重いです。しかし小さかった子どもが、例えば年長になると友だち同士で意見を言い合い、葛藤しながら発表会の出し物などを自分たちで決めていけるくらいに成長する様子を見ることができます。
遊びながら成長する
幼児教育には5つの領域があります。子どもの成長を見定めるポイントのようなもので、「健康」「人間関係」「環境」「言葉」「表現」です。例えば「環境」とは、子どもを取り巻く環境のことで、人、物、場所などすべてをいいます。「環境」について保育者は、この年齢の子なら机の上にこの工作道具を並べて準備しようとか、この広さの中で遊ぶおもちゃの数はこれだけ、というふうに考えます。そして、子どもの「やってみたい」「もっとああしたい、こうしたい」という主体性をどんどん引き出します。また外で活発に遊ぶばかりの子や、室内で静かに遊ぶのが好きな子に対しては、外でも中でもまんべんなく遊べるよう導きます。
子どもは遊びを通じて成長します。上述の5領域を理解することで、遊びの中での子どもの成長の変化をくみ取ることができるようになるのです。
小学校とのギャップを埋めるには
幼児教育では、子どもが興味を持った遊びに主体的に取り組んでいくことを大切にします。しかし小学校では、自分の興味を持った遊びではなく、教科書から出される問題を解くようになります。これは、自らの欲求ではなくほかからの要求という、それまでと全く異なる世界であり、そのギャップに戸惑う子どもが少なくありません。
そのとき大事なのは、それまでにどれだけ1つのことに集中し、「これをやりたい」という気持ちを大切にしてもらえたという経験です。成長段階を踏まえたそれらの経験が、小学校に入学したときの集中力や課題に取り組む力となり、ギャップを克服できるかどうかのカギになります。
※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。
※夢ナビ講義の内容に関するお問い合わせには対応しておりません。
先生情報 / 大学情報
関西国際大学 教育学部 教育福祉学科 准教授 椋田 善之 先生
興味が湧いてきたら、この学問がオススメ!
幼児教育学、学校教育学、教育学先生が目指すSDGs
先生への質問
- 先生の学問へのきっかけは?
- 先輩たちはどんな仕事に携わっているの?