幼稚園での「遊び」が小学校での「学び」につながる

同じ遊びの繰り返しはつまらない
幼稚園児は、遊びを通していろいろな経験をしています。その経験は、小学校での学びの基礎となります。せっかく経験したことが学びに生かされないとしたら、それは非常にもったいないことです。
例えば、幼稚園でどんぐりを紙コップに入れてマラカスを作った経験があるとします。そのことを小学校の先生が知らずに、「どんぐりでマラカスを作る」という授業をしたら、「そんなの幼稚園でやった」「また同じことをやるなんてつまらない」と思う子もいるでしょう。それは子どもに「勉強=つまらない」という意識を植えつけて、学ぶ意欲を奪ってしまうことになりかねません。
子どもの知識欲を刺激するには?
では逆に、小学校の先生が幼稚園での経験を把握していたらどうでしょうか。子どもに、「幼稚園ではどんぐりを何個入れた?」「どんぐりはどんな形だった?」と聞くことができます。そのうえで、「じゃあもっとたくさん入れたらどんな音がするのかな?」「形の違うどんぐりならどうだろう?」と、さらに探究の幅を広げて、より深い学びにつなげていくことができます。
子どもは大人が思う以上に知識欲にあふれています。すでに経験したことを元に、そこからさらに未知の領域へと導くことで、生き生きと自主的に学ぶようになるのです。
幼稚園での経験を学びに生かす
幼児教育と小学校教育をつなげる「幼小連携」は、これまでは小学校生活にスムーズになじむための適応指導が中心でした。しかし、今は学びの連続性が重要視されており、文部科学省でも「架け橋プログラム」として指導計画作りが進められています。
どんぐりの例のほかにも、幼稚園で芋掘りをしてみんなでサツマイモを分けた経験は、小学校の算数の「大きな数の数え方」に通じています。「やおやのおみせ」という手遊びは、国語での言葉の「上位概念・下位概念」に通じています。現場の先生には、幼稚園での遊びを念頭においた子どもとの接し方、指導の仕方が求められているのです。
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