誰しも無意識のうちに相手のことを評価し、関わり方を決めている?

誰しも無意識のうちに相手のことを評価し、関わり方を決めている?

社会心理学ってどんなことを学ぶの?

心理学は「基礎系心理学」と「臨床系心理学」とに大きく分かれ、社会心理学は基礎系心理学の一分野に該当します。社会心理学は、1.自己、2.他者、3.集団に関わる心理学的な問題を明らかにする学問です。中でも「対人認知」は、私たちが他者に抱く印象の一定のパターンや特徴を研究する学問分野です。

初対面の好感度は何で異なる?

例えば、野球好きな人を前にして、「私も野球が好きです」と言った場合と、「野球なんてくだらない!」と言った場合では、当然相手は野球が好きですと言った人に好印象を持つでしょうし、自分とは違う嗜好(しこう)の人には、否定的な感情や印象を持つかもしれません。このように、私たちが持つ価値観は、相手を理解するときに無意識のうちに大きな影響を与えています。感じ方や解釈の仕方は、人それぞれなのですが、無意識のうちに相手を評価し、それが相手の印象を左右していることには変わりありません。

長く付き合える相手はこんな人

こうした価値観は、親や教師などとの関係(社会)から知らず知らずのうちに取り込んだものであり、多くの人に内在します。他者を理解しようとするとき、こうした価値観、すなわち「ステレオタイプ」や「思い込み」というフィルターを通して見ると、その人の本来の姿が歪(ゆが)んで見えてしまいます。そして、「ステレオタイプ」は、誰のこころの中にもあるのです。
私たちは初対面の人を前にすると、「この人と仲良くできるかな」と無意識に相手の「評価」をしています。親しい間柄の人に対しても、「今日は機嫌がいいか」とか「今日は誠実か」といったことを、時に無意識に「評価」しています。長く付き合える相手とは、自分の価値観に合う人、自分の価値観を受け入れてくれる人ということになります。こうした人間の性質を正しく理解した上で人と向き合うことが、円滑な人間関係の秘訣なのです。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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先生情報 / 大学情報

明治学院大学 心理学部 心理学科 教授 宮本 聡介 先生

明治学院大学 心理学部 心理学科 教授 宮本 聡介 先生

興味が湧いてきたら、この学問がオススメ!

社会心理学

メッセージ

私は高校時代、勉強があまり好きではありませんでした。その一方で、趣味のように自分が好きなことは、飽きずにコツコツ取り組むことができました。長く続けた結果、気がつくと人から「すごいね」と言われる成果が出せることもありました。私にとって社会心理学は、その「好きなこと」の1つでした。
人が何かを追究するのに特別な才能は必要ありません。誰にでも、ただ興味があって、飽きずに取り組めることがあると思います。意外とその、「好きなこと」の中に、あなたの未来があるのかもしれません。

先生への質問

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  • 先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

明治学院大学に関心を持ったあなたは

150年以上もの歴史を持つ明治学院大学。本学の起源は、1863年にアメリカ人宣教医師ヘボン博士が開設した英学塾から始まります。無償で診察を行いながら、英和・和英辞典を編纂し、ヘボン式ローマ字でも有名なヘボン博士。その信念「Do for Others」を教育理念とし、本学ではグローバル社会に対応できる学術知識と教養を培い、他者とともに道を切り開ける人材を育成しています。