世界と戦うたくましさの秘密
体幹を鍛えて、当たり負けしない身体に
日本人の体格は、欧米人に比べて小さく、手足の長さや筋肉の付き方も違います。そのため、サッカー日本女子代表では、海外の選手に「当たり負け」しないように体幹を鍛えています。また小さい体でも欧米の選手に対抗できるように、急激なストップやターンなど、さまざまな方向への加減速をともなう素早い動き(俊敏性)を鍛えるためにアジリティトレーニングなども取り入れています。
若い世代から自己管理を指導
サッカー日本女子代表の「育成世代」と呼ばれるU-17やU-20などの若い選手には、自分でピークパフォーマンスを発揮する準備ができるように、セルフコンディショニングの指導がされています。日本代表として世界と戦うために、自分でストレッチングやアイシングを行って自己管理できるたくましい選手に育ってほしいと考えられています。また代表に招集される選手でも、自分のチームに戻ったときにトレーナーが必ずしもチームにいるとは限らないので、将来を見据えて自分自身でテーピングや補強トレーニングができるようにします。
日本代表では時差対策も重要です。海外での試合や遠征が多く、アウェーでは時差があるため体調を崩したり、身体がじゅうぶんに同調できずパフォーマンスが低下する場合があります。そのため、出発前から現地の時間に合わせた生活にシフトしたり、機内での過ごし方を考慮する必要があります。睡眠や食事の時間を毎日少しずつずらしていき、光刺激を受ける時間を考慮するなどの工夫がされています。
怪我をする前に予防する大切さ
サッカーでは膝の靭帯損傷や足首を捻挫することがあります。これらを防ぐためには、練習前後のストレッチングや練習後のクールダウンを行うなど、怪我をしにくい身体づくりが大切です。近年のスポーツ医学ではスポーツによる怪我の予防が注目されています。トレーナーの仕事は、選手が怪我をしてからスタートするわけではありません。選手に怪我をさせない体づくりのサポートもトレーナーの重要な仕事です。
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先生情報 / 大学情報
関西医療大学 保健医療学部 はり灸・スポーツトレーナー学科 講師 山口 由美子 先生
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