世界には安全に管理された飲料水を確保できない人が約21億人もいる

世界には安全に管理された飲料水を確保できない人が約21億人もいる

偏在する水が原因で紛争が起こることも

地球には約14億立方トンの水があると言われています。そのうち湖沼や河川、地下水など人間が利用可能な水量は、約0.01%です。実はこの水量でも人間が生きるためには十分です。問題なのは、水が偏在していることです。地理的条件や気象によって、水の確保が困難な地域があるのです。水は長い歴史の中で、紛争の原因でした。Rival(ライバル)の語源が、ラテン語のrivus(川の意味)であることが、その事実を示しています。現在でも、複数の国を貫流する国際河川がある地域では上流と下流の国で取水をめぐって争いが起こることもあります。

安全な水、衛生的なトイレはまだ十分ではない

また世界には、安全な飲料水が手に入らない人々がいます。世界で約21億人が安全に管理された水にアクセスできていません。安全な水を確保するためには、浄化設備や、都市であれば上下水道が必要になります。しかし開発途上国ではまだまだ整備が不十分です。
特にトイレは大きな問題です。世界で約24億人が基本的なトイレを使用できていないと言われています。水質汚染は、生活排水や工業廃水のほか、し尿に含まれるリンなどによって起こり、地下水や川が汚染され、それが原因で皮膚病などの病気になったり、汚染水を感染源とする感染症によって乳幼児が死亡したりすることもあります。衛生意識の欠如も克服すべき課題です。

水の管理を民間企業に任せる難しさ

このような問題に対しては、国際連合などの国際機関が援助したり、日本であればODA(政府開発援助)によって、途上国の開発援助が行われています。また、民間企業も参入しています。ただ、民間企業の参入には問題もあります。水は公共インフラですが、それを民間企業に任せると企業の効率が優先され、役所の指導や監視も行き届かず、市民の苦情や要望の受け入れも難しくなります。政府と民間企業の契約次第では、設備の新設やメンテナンスが後手に回るという問題も起こります。これをいかに解決するかも大きな問題です。

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先生情報 / 大学情報

山口大学 経済学部 経済学科 准教授 山本 勝也 先生

山口大学 経済学部 経済学科 准教授 山本 勝也 先生

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開発経済学

メッセージ

世界には、今でも安全な飲料水を十分に手に入れられない人々がたくさん存在します。そういう中で安全な飲料水をいかに人々に供給していくのか、あるいは人々がいかに安全な飲料水を手に入れて、健康に暮らしていくのか、その方法を経済開発との関係も含めて研究しています。
潤沢に水がある日本の状況では、「水問題」といってもピンとこないかもしれませんが、だからこそ高校生のあなたには、世界の水問題について勉強してほしいです。

先生への質問

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