講義No.09042 看護学

看護師は健康な部分に働きかけて患者さんを支える仕事!

看護師は健康な部分に働きかけて患者さんを支える仕事!

看護師の仕事を理解する

看護師の仕事とは、病気の治療中、および回復期において、患者さんの健康な部分に働きかけて、日常とつなぐ形で支援していくものです。人の発達に応じて支援の仕方が異なるので、一般的には小児(0~14歳)、成人(15~65歳)、老年(66歳~)の専門領域などに分かれます。成人看護の対象は、年齢の幅が広く、仕事のストレスや不規則な生活による「生活習慣病」になるリスクが上がってくるのが特徴で、予防していく必要があります。具体的には生活習慣病の代表的なものに高血圧がありますが、血圧が上がると動脈硬化や脳卒中、心筋梗塞などの併発も起こりやすくなり、大変危険です。原因はお酒の量や食事の味付けの濃さ、カロリーの高さなど食習慣によるもののほか、運動不足やストレスなどもあります。これらの生活習慣の問題を、患者さんとのコミュニケーションによって引き出し、改善のアドバイスをします。

患者さんの気持ちにより添うことが大事

入院中の患者さんの排泄や入浴の支援も看護師の仕事です。大切なのはあくまでも患者さんができる部分は自分でするように見守り、できない部分に手を貸すことです。回復期に入り、社会復帰の支援が必要だったり、経済的な不安が生じた患者さんの場合は、社会福祉士につなぐといった仕事もします。
がん患者さんは心理的不安が大きい場合が多く見られます。死を意識して追い詰められたり、痛みで気がふさいだりします。患者さんが得たものや生きる目標などプラスの要素を引き出して励ましていくことが大事です。また、家族のケアやサポートも看護師が行いますので家族との会話も重要です。

チーム医療でも自分の役割意識を持って!

チーム医療では、医師は病気の治療、理学療法士はリハビリの支援などそれぞれの役割があります。看護師は単なる医師の補助ではありません。看護の専門家として、患者さんの健康な部分に働きかけ日常につなげるという役割を果たす必要があるのです。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

※夢ナビ講義の内容に関するお問い合わせには対応しておりません。

先生情報 / 大学情報

大東文化大学 スポーツ・健康科学部 看護学科 教授 糸井 裕子 先生

大東文化大学 スポーツ・健康科学部 看護学科 教授 糸井 裕子 先生

興味が湧いてきたら、この学問がオススメ!

成人看護学、看護学

メッセージ

看護師は、健康な人から生命の危機的状況にある人とその家族に対して支援を行います。看護学に加え、医学、栄養学、薬理学など幅広く学習し、演習や現地実習も行う授業形態が本学問の特色です。
看護師を志しても、現地実習で向いていないと断念する人もいます。オープンキャンパスや病院、施設が主催する看護師体験では、患者さんに行う支援の根拠、安全への配慮、個人情報などへの倫理的な配慮などを含め、看護師の役割を紹介します。将来看護師になることを考えているなら、看護師の仕事を理解して決断するといいでしょう。

先生への質問

  • 先生の学問へのきっかけは?
  • 先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

大東文化大学に関心を持ったあなたは

大東文化大学は、文、外国語、経済、経営、法、国際関係、スポーツ・健康科学、社会学の8学部20学科を擁する総合大学です。進路に合わせて自由に選べる科目の多さと、他学科の科目も選択できるカリキュラムも特徴のひとつ。1923年に当時の国会決議によって設立された本学の建学精神は「東西文化の融合」。この精神は今も息づいており、毎年約400名の学生が海外に留学し、海外からは600名の留学生が学ぶ国際色豊かな大学です。また伝統的に公務員・教員への就職に強く、全国各地で卒業生が活躍しています。