宗教と食から、西欧と日本の共通点が見える
地球規模でとらえると
西欧と日本の文化は大きく異なる、というイメージがあるかもしれませんが、グローバルな視点で見ると、日本と緯度が近いイギリスなどは米や麦といった農業が社会基盤であるため、共通点も多いといえます。さらに北にある国々では牧畜が、別の国では狩猟が中心の社会だったりします。そうした社会基盤による違いはあるものの、先進国同士は似ている部分も多いのです。
文化の比較検証は古くからありますが、人と関わりが深い宗教と食に関する日本の文化は、まだ英語圏への紹介が非常に少ない状態にあります。世界の中で日本はどう知られているのかという視点は大切です。
共通点も多い宗教と食文化
宗教と食の事例として、神社仏閣の祭りがあります。前近代の一般の人たちは常におなかを空かせており、栄養不足の状態でした。お祭りは屋台が出て、ごちそうも出る特別な日です。普段と異なるごちそうを食べて、再生したような不思議な感覚があったことでしょう。西洋でも宗教的なお祝いの日は、ごちそうを食す日になっています。
また、仏教における寺での精進料理は現代では質素に感じますが、場合によって、前近代の人たちにとってはごちそうです。お金に困った人が神職者になるという現象は、日本でも西欧でも起きています。さらに、日本には「木食(もくじき)行」という、穀物を食べずに木の実や草などだけを食べる修行があります。西欧の宗教にも、断食やお肉を断つ時期があるのです。
語学習得のコンテンツに
こうした宗教や食は身近なところにあって、庶民に影響を与えています。近年になると、日本の文化が英語圏の国々へ、また、英語圏の国々から日本へと文化が伝わります。その文化とは、音楽やスポーツ、グルメなどにとどまりません。
日本人にとっての英語など、第二言語を習得する際に、こうした文化に関するコンテンツを活用することで視野が広がり、日本や諸外国の文化への理解が深まります。加えて国際的な視野から検証すると、日本の位置付けや特徴をつかむことができるのです。
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