楽しく! 面白く! 人を幸せにする「感性デザイン」とは
「楽しい」をものづくりに生かす
感性デザイン工学というと、なんだか難しく聞こえますが、要するに、人が「楽しい!」「面白い!」「かっこいい!」と感覚的に思うこと、つまり感性を、工学的なアルゴリズムとして数値化・パターン化して、ものづくりのプロダクトデザインやサービスに生かす学問です。中でも、人を楽しませると行動が変わるという「Fun理論」に基づいた研究が行われています。
人の行動をデザインする
階段とエスカレーターがあれば、ほとんどの人はエスカレーターを使います。しかし例えば、階段を踏むと音が鳴るようにして、ピアノのような階段を作ったら、みんな面白がって階段を使うかもしれません。機能的に考えれば、音が鳴る必要はないのですが、そうすることで人が階段に興味を持ち、実際に使ってみたいと思い、行動を起こします。
工学的な視点から、人が「踏むと音が出ること」に対してどう感じるかを分析し、そうした感性的な要素をプロダクトデザインに反映しているのです。さらにここから、「人が行動するプロセスをデザインする」ことが、感性デザインのひとつの特徴です。
「Fun(楽しい)」が幸せを生む
プロダクトデザイナーは、機能的で使い勝手がよく、かつ美しく楽しい、誰もが「使いたい!」と感じるデザインをめざしています。いくら機能的でもダサいものは人気がないし、面白みがなければ選ばれません。人は、機能性とデザイン性にプラスα(アルファ)の魅力があるものに興味を持つのです。人がどう楽しむのかまでを考え、プラスαを加えることで、今までになかった価値が生まれます。そしてこのプラスαが人の行動をも変えてしまうのです。それゆえ、感性デザインによって人の行動をデザインすることも可能なのです。
研究の根本には「楽しませることで人が幸せになる」という考えがあります。楽しい、面白い、という感覚を持たせ、人に行動を起こさせるには、どうしたらいいのか? それを考えるのが、感性デザイン工学なのです。
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先生情報 / 大学情報
公立はこだて未来大学 システム情報科学部 情報アーキテクチャ学科 准教授 姜 南圭 先生
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