講義No.09224 看護学

地域の文化に触れ、ケアの専門性を探求しよう!

地域の文化に触れ、ケアの専門性を探求しよう!

看護って何だろう?

基礎看護学は、看護とは何か、なぜ看護を行うのかを考える学問です。看護は主に病院などの医療施設で提供されるサービスですが、その本質は日常の中にある人への世話(ケア)です。もちろん、看護技術や医療技術を身につけることは必要ですが、それだけでは看護への意欲を持ち続けることはできません。人は生まれる前から死ぬまで常に何らかのケアを必要とする存在です。ケアは生きる上での基本的な営みなのです。それを職業として引き受けているのが、看護という仕事です。

看護に求められるものとは

では、ケアには何が必要でしょうか。まずは、ケアの対象を知ることです。病状や肉体的な生活能力はもちろんですが、家族関係や、社会環境なども重要な要素になります。ケアの基本は、日常生活の援助です。多くの人は、自分らしい生活を送りたいと願っています。その願いと現実との開きが大きいほど苦しみも大きくなります。その苦しみをキャッチできる感性と、支えていく力が求められているのです。つまり、今まで、当たり前のように自分でできていたことが思うようにできなくなった時、看護者は、私の苦しみをわかってくれる人=信頼できる存在となり得るということです。その信頼と安心感は生きるエネルギーを引き出してくれます。精一杯生きる姿は、看護者のケアへの強い動機となって看護を続けるエネルギーにもなるのです。

地域に寄り添って看護することの意味

誰もが安心して老い、安らかな最期が迎えられるためには、地域との繋がりやその土地の文化に根ざしたケアが重要です。人は生まれ育った土地に生きる力をもらっています。地域の文化を共有できることは、ケアをする側、される側の両方に豊かさをもたらします。特に、共同体意識が強い沖縄では、昔ながらの濃密な人間関係や伝統的な風習が日常生活にも影響を与えています。県外とは、地理的、歴史的背景の異なる沖縄の文化に触れ、人々の暮らしの中に息づくケアを体験的に学ぶことが、ケアの専門性を探求する学びにつながります。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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先生情報 / 大学情報

名桜大学 人間健康学部 看護学科 教授 大城 凌子 先生

名桜大学 人間健康学部 看護学科 教授 大城 凌子 先生

興味が湧いてきたら、この学問がオススメ!

看護学、基礎看護学

先生が目指すSDGs

メッセージ

人類発祥とともに「ケア」は存在していました。AI(人工知能)やロボットが発達しても、人を世話するという感情をともなう営みは、人間にしかできない仕事です。一方で、看護に要求される知識や技術はより高度になっています。遺伝子技術の進歩で倫理の問題も出てきました。またグローバル化で患者さんや医療従事者の幅が広がり、異文化への対応も必要になっています。
看護師には、高度な判断能力や責任能力が必要になると同時に、ケアを創造していく感性が求められています。こうしたやりがいのある看護について一緒に研究しましょう。

先生への質問

  • 先生の学問へのきっかけは?
  • 先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

名桜大学に関心を持ったあなたは

名桜大学は、平和・自由・進歩を建学の理念として1994年に開学。生きる力を育む教養教育(リベラル・アーツ)を基盤に、国際学群では、社会の多様なニーズに対応し地域および国際社会で活躍できる人材を育成、人間健康学部では、健康に生きる価値を人々と共に創りだす専門職、健康支援人材を育成しています。生涯のチカラとなる沖縄・名護での4年間。将来への扉は、ここから開かれています。