地域の文化に触れ、ケアの専門性を探求しよう!
看護って何だろう?
基礎看護学は、看護とは何か、なぜ看護を行うのかを考える学問です。看護は主に病院などの医療施設で提供されるサービスですが、その本質は日常の中にある人への世話(ケア)です。もちろん、看護技術や医療技術を身につけることは必要ですが、それだけでは看護への意欲を持ち続けることはできません。人は生まれる前から死ぬまで常に何らかのケアを必要とする存在です。ケアは生きる上での基本的な営みなのです。それを職業として引き受けているのが、看護という仕事です。
看護に求められるものとは
では、ケアには何が必要でしょうか。まずは、ケアの対象を知ることです。病状や肉体的な生活能力はもちろんですが、家族関係や、社会環境なども重要な要素になります。ケアの基本は、日常生活の援助です。多くの人は、自分らしい生活を送りたいと願っています。その願いと現実との開きが大きいほど苦しみも大きくなります。その苦しみをキャッチできる感性と、支えていく力が求められているのです。つまり、今まで、当たり前のように自分でできていたことが思うようにできなくなった時、看護者は、私の苦しみをわかってくれる人=信頼できる存在となり得るということです。その信頼と安心感は生きるエネルギーを引き出してくれます。精一杯生きる姿は、看護者のケアへの強い動機となって看護を続けるエネルギーにもなるのです。
地域に寄り添って看護することの意味
誰もが安心して老い、安らかな最期が迎えられるためには、地域との繋がりやその土地の文化に根ざしたケアが重要です。人は生まれ育った土地に生きる力をもらっています。地域の文化を共有できることは、ケアをする側、される側の両方に豊かさをもたらします。特に、共同体意識が強い沖縄では、昔ながらの濃密な人間関係や伝統的な風習が日常生活にも影響を与えています。県外とは、地理的、歴史的背景の異なる沖縄の文化に触れ、人々の暮らしの中に息づくケアを体験的に学ぶことが、ケアの専門性を探求する学びにつながります。
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先生情報 / 大学情報
名桜大学 人間健康学部 看護学科 教授 大城 凌子 先生
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