合唱のコツはイメージをつかむこと
歌はイメージをつかむことから
あなたは、音楽の授業や合唱部などの部活で合唱をする際、指導者の言葉が抽象的でわかりにくいと感じたことはありませんか? 確かに、合唱指導の言葉は、あまり論理的ではないかもしれません。しかしそうなるのは、歌を歌うことにおいてはイメージをつかむことが重要だからです。楽器とは違い、声は目には見えないところから出しています。目には見えないところを動かさなければならないので、イメージが大切なのです。イメージは言葉だけでは言い表せないので、指導者はジェスチャーを交えて指導します。ですから指導者が何気なく使うジェスチャーも、決して見逃せません。イメージをどうつかむかが、歌の歌い方に多大な影響を及ぼすのです。
「おなかに空気を入れる」というイメージ
例えば合唱の際、「おなかに空気を入れて」と指導されたことがあるでしょう。歌を歌うときにまず大事なのは、「腹式呼吸」です。しかし、実際に息が入るのは肺であって、おなかには息は入りません。それでも、息を吸ったらおなかが膨らむようなイメージで息を吸うと、のびやかなよい声が出ます。イメージを元に体を動かすと、それがよりよい歌声を響かせることにつながるのです。
合唱は一体感を表現するもの
合唱では周りの声と溶け合わなければなりません。独唱は個性が必要ですが、合唱では一人ひとりの声がそろっていることが重要です。具体的には、隣の人と似たような声の出し方をするよう意識することです。それぞれが違った声を出していては、さまざまな声部(パート)が合わさりハーモニーとなることに支障をきたします。一人ひとりが同じような出し方をして声がそろっている、この状態でみんなが同じ方向を向いているからハーモニーを生むのです。息を合わせ、隣の人がどう感じているかを感じながら声を出すということが大事なので、合唱はコミュニケーションのひとつと言っていいでしょう。だからこそ、うまくいったときに大きな喜びがあるのです。
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先生情報 / 大学情報
フェリス女学院大学 音楽学部 音楽芸術学科 教授 星野 聡 先生
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