スマホの向こうに見えるアフリカの地域紛争
スマホでつながる「あなた」と「アフリカ」
あなたが使っている携帯電話やスマホ、ノートパソコンの部品に使われている金属がどこから来ているか考えたことがありますか? その中の一つ、コルタンというレアアースはアフリカのコンゴ民主共和国から来ているのです。そして、この希少金属をめぐって、複数の武装グループによる奪い合いが起きています。20年以上紛争が続き、政府の統治能力は弱いため武装グループが力を持ち、軍も警察も、国からの給料は当てにできず武装グループに手を貸してお金を得ているような状況です。周辺の国からもこの資源を狙って国境を越えてくる勢力があるため、紛争が拡大しています。
紛争の解決をめざす動き
この紛争問題は、アメリカが取り上げるようになって少しずつ知られるようになってきました。また、アメリカでこうした金属を取引している企業は、スマホなどの機器に使用されている金属がどの国で採れたものか報告することが法律で義務付けられました。しかし、アメリカだけの対策では解決は難しく、先進国が協力してルールを作る必要があると考えられています。
紛争研究という学問
このような地域の紛争を扱う「紛争研究」という学問は以前からありましたが、特に研究が盛んになったのは1990年代以降です。そもそも国際関係や国際政治といった学問は、「戦争をなくすには」というテーマが出発点で、第一次世界大戦や第二次世界大戦を経て広がっていきました。ところが、東西冷戦が終結した1990年代以降、大国同士の戦争は起こりにくい状況になりました。逆に、地域紛争は1980年代の終わりから増えています。その理由の一つに、上記のような経済のグローバル化と資源の価格高騰による奪い合いが考えられます。そこで、地域的に起きている紛争を対象にする研究が盛んになったのです。
人間が生きる限り対立はなくなりませんが、少しでも犠牲を少なくするにはどうしたらいいかを考えるのが紛争研究という学問なのです。
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先生情報 / 大学情報
フェリス女学院大学 グローバル教養学部 国際社会学科 国際関係専攻 ※2025年4月開設 教授 古内 洋平 先生
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紛争研究、国際政治学先生が目指すSDGs
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