SNSは今の社会をどうつくっているか メディアリテラシーの必要性

SNSは今の社会をどうつくっているか メディアリテラシーの必要性

あちこちに閉じた空間がある社会に

TwitterやInstagram、Facebookなど広く使われるようになったSNSは、社会にどんな影響を与えているのでしょうか。
例えば、自分が興味のあるアニメやゲームをテーマとしたSNSでも、人とつながるか否かを自分の意思で選択できます。すると、次第に自分の好みや価値観と似た特定の空間にいつも居るようになります。これを、閉じた空間で音が響き渡る共鳴室という意味で「エコーチェンバー」と言い、考えが偏りがちになることが指摘されています。今後は、多彩なエコーチェンバー現象があちこちに存在する社会になっていくでしょう。

SNSで変わる印象と現実

SNSの利用者が増えたことで、変化したものの一つが選挙です。例えば、候補者がSNSで使った言葉を分析すると、「演説の告知をメインにする」「政策を発信する」など、候補者それぞれの戦略が見えてきます。SNSでインパクトを与えた候補者が当選するケースもあります。
また、メディアを通じて政策に関する意見が流れると、「みんなそう思っている」というイメージがつくられますが、有権者にアンケートをしてみると、イメージとは異なる結果が出ることも少なくありません。情報によって与えられた印象だけを見てしまうと、現実を見誤ってしまうことがあるのです。

メディア「リテラシー」が大切に

例えば、人はなぜ「インスタ映え」をめざすのか考察してみるとおもしろいかもしれません。また、ここ数年は気軽に動画をアップして1日で消える「ストーリー」が若者の間でブームになっています。どんどん新しい機能が登場し、短期間で流行が変化している中で、ユーザーの「使い方」もどんどん進化しています。
新しいアイテムが次々登場しますが、それを使うのは「人」です。人はメディアを通じて、人とつながったり対立したりします。だからこそ、メディアにはどんな特性があり、人や社会はメディアにどう影響されているかといったことについて「リテラシー(知識)」を得ることが大切なのです。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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先生情報 / 大学情報

椙山女学園大学 情報社会学部 現代社会学科 ※2024年4月開設 准教授 木田 勇輔 先生

椙山女学園大学 情報社会学部 現代社会学科 ※2024年4月開設 准教授 木田 勇輔 先生

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社会学、メディア学、情報学

メッセージ

高校で学ぶ歴史も、メディアを学ぶ上でとても役に立ちます。例えば、映画『レ・ミゼラブル』は恋愛映画としても楽しめますが、フランス革命やその後の歴史を知った上でみると、印象やおもしろさが大きく変わります。歴史を知ると楽しめる映画はたくさんあるのです。
また、高校までの授業は、歴史でも現代社会でも「現在」は扱いません。現在の社会はどうなっているのか、今後どうなるのかをみるのが社会学です。そして、今の社会を読み解くのにメディアは欠かせない存在です。ぜひ、楽しみながら今の社会を解読してみませんか。

先生への質問

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「わたしは、五感を通して、社会課題と向き合う。」
メディア、観光、持続可能な社会の視点で、現代の社会課題と向き合い解決する力を。

現代社会学科では、メディア、観光・まちづくり、持続可能な社会をキーワードに、フィールドを重視した学びで地域社会が抱える課題と向き合い、その解決に向けて主体的に行動するための知識とスキルを修得。実践的な学びを通して社会を生き抜く判断力と行動力、そして情報活用能力を養います。