人に伝わる映像とはどんなもの? ~新しい表現が生まれるとき~
情報伝達ツールとしての映像
電車やバスの中でさえ、車内に設置された画面に広告の映像が流れるようになりました。スマホで見るサイトの広告も今や動画、映像が使われる時代です。私たちは映像による情報を目にしない日はありません。しかし、こうした映像には種類があります。ニュースを伝える映像は現実の様子を映し出すものですが、広告などで使われる映像デザインは、商品やサービスの良さを人々に伝える情報ツールとしての役割を担っており、時にアート性も求められます。アートと映像デザインの融合は近年、目覚ましい発展を遂げています。
デジタル加工が生み出す世界
アートの世界に映像機器が持ち込まれたのはごく最近のことですが、今では多くのアーティストが表現方法の一つとして映像技術を使っています。映像の面白さは、編集機器の進歩で大きく広がりました。例えば、石や鉛筆を回転させながら撮影すると、その残像が残ってそれらが変形して見え、想像を超えた面白みのある映像に仕上がることもあります。本来ならば静止しているはずの石に、動きをつけることができるのです。物と時間軸を使うこの表現方法は映像ならではの技法と言えます。
技術とリテラシーの研鑽
リアルなものを変化させる加工技術も多く見られます。人の顔を瞬時に動物にしてしまう画像技術や、映画で使われるCGも一つのデジタルの画像加工技術です。このように、技術は日々進化していきます。身近なスマホの中でも高度な画像合成や三次元的な処理が日常的に行われています。
しかし、技術で補えないものがあります。それは作品を生み出すアイデア力です。表現上の新しさは技術でもたらされますが、どのように見せるかという想像力や発想力を鍛えるのはたやすいことではないからです。また、映像は人々に強い影響を与えますから、加工した作品を世に出すうえでは作り手としての映像に関するリテラシー(知識や能力)も身につけておくべきでしょう。
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先生情報 / 大学情報
東京工科大学 デザイン学部 デザイン学科 准教授 伊藤 英高 先生
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