ローカルとグローバルをつなぐ新しい地域活性化の試み
地域活性化のカギは、地方自治体の国際戦略
日本では少子高齢化、東京一極集中が懸念されています。悲観論がある一方で、人やモノ、情報が瞬時に行きかう時代であり、海外に目を向けてチャンスをつかもうという機運も高まっています。地域が発展していくときには、ハブ(中核)となる機関が必要です。自治体や大学、企業を中心に窓口となって、それまで出会わなかった企業や人が出会うことで、新しいアイデアが生まれ、地域が発展していくのです。では、海外とどうつながり、どう地域が発展していくのか、イメージをつかむために、いくつか事例を紹介します。
新たな資源の使い方を発見し、技術を輸出する時代
佐賀では貝殻に注目しています。粉にした貝殻とフランスの化粧品会社の技術が出会い、新しい化粧品が生まれました。その結果、アジアの化粧品会社が佐賀に集まり、国際的な商品開発の流れが生まれようとしています。
また、上下水道の技術を海外の都市と結んで収入につなげた自治体もあります。ほかにも、かつて公害のイメージがあった地方都市が、今では公害を克服する技術を持つ環境モデル都市として売り出し中ですし、医療やバイオを地域ブランドとして打ち出すためにアメリカで「未病」を商標登録(登録上はME-BYO)した自治体もあります。世界を視野に入れると可能性はいくらでも広がっていくのです。
地域行政も特色を出す時代
行政といえば、日本全国で均質のサービス、というイメージがありますが、現在では、地場産業、子育て、観光、企業・大学誘致など、地域の個性が問われています。
自治体の求める人材像も変化しています。事務処理能力に加えて、地域のさまざまな意見をひとつにまとめ、海外にアピールしてビジネスにつなげ、地域を活性化する、という実践的な観点から、人物重視の採用手法を導入する自治体も増えています。プラスアルファの部分でどんな強みを出せるかが、これからの地域行政を考える上での重要なポイントになるでしょう。
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先生情報 / 大学情報
追手門学院大学 地域創造学部 地域創造学科 教授 藤原 直樹 先生
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