見た人を「なるほど!」と思わせるデザインを作るには
デザイン開発のポイント
地方に行くと、昔に比べてオシャレなパッケージの名産品やお土産が増えました。同じ商品でも見た目の違いで売り上げが変わるという考え方が浸透したからで、特にブランド米などはプロのデザイナーが手掛けたパッケージが増えています。その際、デザイナーが考えなければならないのは、商品の本質をきちんと伝えることです。オシャレでセンスのいいものを作るのがデザインだと考えられがちですが、「物事の本質を伝える」ということが最も大事な要素なのです。
商品だけでなくイベントなどでも、例えばフリーマーケットのチラシをショッピングバッグ調にしてみるといったように、一目で何のデザインかわかる必要があります。手に取った人が腑(ふ)に落ちる、見た人を「なるほど!」と思わせるのがポイントで、それがないデザインはどんなにオシャレでもメッセージは伝わりません。
人間のためのデザイン
世の中の流れも「何を作るか」ではなく、「なぜ作るのか」に重きを置いてデザインされるようになりました。その中心にいるのは、もちろん人間です。人間がいかに使いやすか、暮らしやすいかを考えて作られるヒューマンセンタードデザインはその最たる例と言えるでしょう。デザインとは個人の感覚から生まれるものではありません。作る目的をきちんと把握すれば、作るものの方向性もおのずと決まってきます。そして、そこに良いデザインが生まれるのです。
ビジネスに役立つデザイン的な思考
近年、ビジネスの現場で「デザイン的な思考」が注目されています。何かをデザインするように、情報を取り入れながら物事を整理し、問題を的確に見つけ出し、課題を解決しようというものです。一見、実践するのは難しい印象を受けますが、警察が事件の背景を調べながら犯人を探り当てて逮捕にこぎつけるのと同じようなものです。
デザイン的な思考は特にものづくりの現場において顕著ですが、うまく応用すれば社会の諸問題に関しても応用できる可能性があるのです。
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先生情報 / 大学情報
長岡造形大学 造形学部 デザイン学科 准教授 吉川 賢一郎 先生
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