ビジュアルでコミュニケーションをもっと豊かに
すばやく認識できるトイレのマーク
私たちは、写真やイラストレーション、マーク・シンボルといったさまざまなビジュアルに囲まれて生活しており、それらを使って、多様なコミュニケーションを行っています。例えば、トイレに表示されている男女を区別するマークは、色や形だけで男女を判別できます。色で言えば、男性は黒や青、女性は赤が多く使用されます。ここには多くの人が思い描く共通の認識があって、特に言葉で説明されなくてもそれだけで判別可能です。ここでの表現の目的は男女の区別なので、マークのデザインも余計な要素は入れずに削ぎ落とされた表現になっています。そのため、見た人はすばやく認識できます。
言葉でなくビジュアルによるメリット
ビジュアルコミュニケーションでできることは、モノの判別だけではありません。表現方法によっては、言葉では表現しづらい気持ちを伝えることもできます。情報の受け手側は、その中に魅力を感じたり、心をひかれたりということさえできるのです。
例えば、SNSやメールで使う絵文字もそのひとつです。「うれしい」という一言とうれしさを示す一つの絵文字を比較すると、伝えたいことは同じですが、そこから伝わってくるニュアンスには違いがあります。ビジュアルで表現することで、どのように、どれくらい「うれしい」かが、一目でわかるのです。
表現方法を磨いてコミュニケーションを豊かに
ビジュアルコミュニケーションは相手に何らかの情報や気持ちを伝えたいというところから始まります。その内容だけでなく伝え方や表現方法によって、相手が興味を持ってくれたり感動してくれたりします。言葉と絵文字で伝わり方が変わるように、写真やイラストレーションを使用する場合であっても、制作者の感性や表現方法によって変わってきます。ここでは工夫が必要です。そのための技術を磨いていけば、私たちのコミュニケーションは、さらに豊かになっていくと考えられます。
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先生情報 / 大学情報
長岡造形大学 造形学部 デザイン学科 准教授 御法川 哲郎 先生
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