なぜスポーツは社会にとって必要不可欠なものなのか?

なぜスポーツは社会にとって必要不可欠なものなのか?

スポーツから学ぶ

「社会」という言葉から、何を思い浮かべますか? 社会とは、個人が集まった集合体です。個人はそれぞれの志向を持つため、何かひとつを指して社会とはいえません。すなわち社会とは、国家、民族、人種、宗教、市場や家族までをも含んだ多様な「かたまり」のことを指すのです。
「スポーツ社会学」では、この社会の中でスポーツがどのような位置づけであるか、スポーツが社会にどのような影響を及ぼしているか、という両視点による研究を進め、得た知見を社会に生かす研究を行います。

スポーツはいつだって「奇跡」を起こしている

人類が誕生して以来、常にどこかで「紛争」が起きています。私たちは同じ過ちを繰り返しています。しかし、フットボール(=サッカー)の試合ではどうでしょうか? 勝敗を巡ってフィールド内外で「紛争」が発生することは、ほぼありません。むしろ試合後は勝敗を抜きにして、お互いをたたえ合います。国際試合では、ホームチーム側の国家が、アウェイチームの安全を確保します。これだけ「紛争」が起きているのにもかかわらず、国家、人種、民族、宗教、市場を超えて、この「奇跡」がかなうのは、スポーツ(フットボール)にルールがあるから、という理由だけでは説明がつきません。スポーツの安定した秩序を探求することで、社会に安定した秩序、すなわち「奇跡」を起こすことが可能になるかもしれません。

「学び、伝え、育てる」サイクルを

アスリートでなくても、スポーツから学べることは重要なことです。国家、人種、民族、宗教、市場を超える、スポーツという特殊な存在だからです。
しかし、日本では、スポーツの社会的、文化的背景を学んだ人材の活用が不十分です。このことは、アスリートの引退後の「セカンドキャリア問題」に関わる教育の遅れとしても表れています。今後、スポーツから得た知見を、仕事や人生に生かせる体制づくり、また、そこから羽ばたく人材の育成に「社会」から大いなる期待が寄せられています。

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先生情報 / 大学情報

追手門学院大学 社会学部 社会学科 教授 上田 滋夢 先生

追手門学院大学 社会学部 社会学科 教授 上田 滋夢 先生

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スポーツ社会学、教育社会学

メッセージ

何かに挑戦するのは、誰でも怖いものです。人は失敗する可能性を先に考えがちです。しかし挑戦は必ずあなたに「気づき」をもたらしてくれます。「気づき」が得られること自体が大きな成功なのです。人は気づけば自然に学ぼうとします。学びから成長が実感できます。一歩踏み出さなければ成功は0%です。一歩踏み出すことで、成功の可能性が50%も上がるのです。
机に向かう学び、人や文化と接する学び、スポーツからの学び、どこで学ぼうとも一歩踏み出せば、そこがあなたの道となります。学問とは、人生の道をつくることなのです。

先生への質問

  • 先生の学問へのきっかけは?
  • 先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

追手門学院大学に関心を持ったあなたは

追手門学院大学では「学生一人ひとりの個性・自主性を育てること」を重視しており、基本的な能力やスキルの向上のため少人数で学べる講義やゼミナール、個々の興味に合わせて学べる幅広い科目群など、充実した学びのシステムを用意してあなたの夢の実現を力いっぱい後押しします。