建築物を基軸に、経営という視点で「地域の将来」をデザインする
「まちづくり」をデザインする
「デザイン」という言葉を聞いて、あなたはどんな行為をイメージしますか。洋服などファッション系はもちろん、芸術系、建築系、工業製品系など、あらゆる分野の「モノ」になんらかのデザインが施されています。デザインの目的も、美しく見せるため、居心地を良くするため、使いやすくするためなど、さまざまです。
モノばかりではなく、自分たちが暮らしている地域をより良い方向へ向かわせる「まちづくり」も、大きな意味でデザインの一つです。建物を基軸としながら、まちのあり方を考える「地域デザイン」が、建設社会工学の一分野として研究されています。
必要な地域経営という視点
「空き家・空きビル」の急増が、社会問題化しています。改築して宿泊施設にするなど、いろいろな取り組みが行われていますが、失敗例も少なくありません。改築コストに対して利益が少なすぎたり、地理的に集客が難しかったりと原因はさまざまですが、失敗事例の多くに、「地域経営」という視点の欠如が見られます。
家やビルなどの建物は、その地域の「資産」です。企業経営で、どんな資産をどのように使うかが経営を左右するポイントであるように、地域にとっての資産である空き家・空きビルなどの活用法を模索することが必要なのです。
「まちづくり」の総合的なマネジメント
建物を再活用する際、そこのオーナーはどういう活用法を望んでいるか、その地域にはどんなニーズがあるか、どんな業態で、どの程度の投資なら経営が成り立つのか、そのためにどのような改築作業が必要かなどの要素を、総合的にマネジメントしなければなりません。
例えば、高齢化が進んでいる地域の空きビルを、最小限のコストでお年寄りのための憩いの施設にリノベーションし、働くスタッフとして若い人々を集められれば、関係するすべての人にとっても、その地域にとっても良好な再活用法になるはずです。そうした総合マネジメントも、地域デザインの研究要素なのです。
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先生情報 / 大学情報
九州工業大学 工学部 建設社会工学科 准教授 德田 光弘 先生
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地域デザイン学、建設社会工学先生が目指すSDGs
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