スポーツの現場を支える「スポーツボランティア」の役割
スポーツを「する・見る・支える」
私たちのスポーツとの関わり方について考えると、「する・見る・支える」という3つの分野に大きく分けることができます。「する」は私たち自身が身体を動かしてスポーツを楽しむこと、「見る」はプロからアマチュアに至るまでさまざまなスポーツを見て楽しみ応援すること、そして「支える」は、スポーツイベントの運営や地域のスポーツ現場をサポートすることで、自らもスポーツを楽しみ、またさまざまな人にスポーツを楽しんでもらうための手助けをすることを指します。
注目を集める「スポーツボランティア」
2020年に東京でオリンピック・パラリンピックが開催されることが決定した後、「スポーツボランティア」というキーワードが世の中で注目を集めるようになりました。スポーツボランティアの活動は、スポーツイベントの運営やさまざまな裏方仕事を担う「イベント・ボランティア」、地域のクラブや団体などで運営や指導を日常的に支える「クラブ・団体ボランティア」、スポーツ選手やトップスポーツチームなどが各地域を訪ねて指導やイベントを行う「アスリート・ボランティア」の3つに分類することができます。いずれの場合も、参加する個人の自由意思に基づいて、金銭的な報酬を期待することなく活動する、という点が共通しています。
「支える」意識を根付かせるために
日本国内で、過去1年間にスポーツボランティアの活動を行ったことがある人の割合は、10代で約15%、成人では6~7%程度にとどまっています。子ども、高齢者、障がい者など、地域社会の中でさまざまな人々がより積極的にスポーツを楽しめるような環境を整えるには、私たち一人ひとりがスポーツを通じて社会を「支える」という意識を持つことが必要です。また、スポーツボランティアはスポーツを「する」ことが得意でない人でも、「支える」ことでスポーツを楽しむことができます。スポーツボランティアの活動は、個々のスポーツライフを豊かにするかけがえのない経験なのです。
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先生情報 / 大学情報
大東文化大学 スポーツ・健康科学部 スポーツ科学科 准教授 工藤 保子 先生
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