デジタル機器を使って遊ぶ「ワークショップ」は、なぜスゴイ?

デジタル機器を使って遊ぶ「ワークショップ」は、なぜスゴイ?

○△□だけで、簡単に立体造形を作る

3Dプリンタは、データで作成したものを立体的な造形に出力できるツールです。本来はデータ作成など複雑な手順が必要ですが、子ども向けのモデリングソフトを使えば、○や△の形を組み合わせて、ブロック遊びをする感覚で好きな造形を作り出せます。また描いた絵をスキャンし、好きな材料を描いた絵と同じ形に切ることができるカッティングマシンもあります。このようなデジタル工作機器などを使った、ものづくりや遊びを体験できる子ども向けの「ワークショップ」があります。

表現の幅を広げてくれるデジタル工作機器

このワークショップの目的は、情報化社会を生きる子どもたちに、デジタル技術やツールをより身近なものとして体験してもらい、さまざまな表現につなげることにあります。デジタル機器などのICT(情報通信技術)を使うことで、鉛筆がドローソフトに、はさみがカッティングマシンに取って代わられます。このような新しい道具が増えることで、より多彩な表現へとつながります。世界では科学・技術・工学・芸術・数学の分野を統合的に理解していくSTEAM(スティーム)教育が注目されています。デジタルやものづくりの仕組みを知り、表現するワークショップもその流れにあると言えるでしょう。

作りたくなる環境をデザイン

ワークショップは、参加者だけではなく、企画する側にも学びがあります。ワークショップを開発して実践し、参加者の様子を見て、評価・改善していくことを繰り返すサイクルは、システム開発のPDCAサイクルと同じです。また、参加者である子どもを観察し、特性を知り、相手の行動を促すファシリテーターの役割も求められます。
つまりワークショップを企画することで、社会人としての学びも得られるのです。このように、参加者がやりたくなるワークショップを考え、作りたい気持ちを刺激する環境をデザインしていくことは、教育工学の大切なテーマになっています。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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先生情報 / 大学情報

椙山女学園大学 情報社会学部 情報デザイン学科 ※2024年4月開設 教授 亀井 美穂子 先生

椙山女学園大学 情報社会学部 情報デザイン学科 ※2024年4月開設 教授 亀井 美穂子 先生

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教育工学、教育心理学、情報教育学

先生が目指すSDGs

メッセージ

あなたは何のために学んでいますか? 志望の大学に進むため、そして就職活動に成功するためですか? では進学・就職したら、その先は学ばなくてもいいのでしょうか?
有名な「セサミストリート」というテレビ番組は、文字に触れたことがない就学前の幼児のために1969年にアメリカで誕生しました。勉強についていけずに学校をやめ、貧困に陥る「負の連鎖」を断ち切るための教育番組だったのです。学びは、自分だけのものではなく、社会を良くしていくためのものでもあります。皆がそう考えたら、世の中はもっと面白くなるでしょう。

先生への質問

  • 先生の学問へのきっかけは?
  • 先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

椙山女学園大学に関心を持ったあなたは

「わたしは、新しい価値を、情報技術で生み出す。」
ICTスキルで情報をデザインし、社会に新しい価値を生み出す。

情報デザイン学科では、データサイエンスやAIに必要となる最先端の情報技術、効果的なコミュニケーション手法を設計する情報デザイン、図書館や博物館を中心に情報を適切に保存・活用するデジタルアーカイブの知識とスキルを修得。実践的なプロジェクトを通して、情報をデザインし、新しい価値を生み出す力を養成します。