誰もが情報発信できる! ローカルメディアのつくりかた
地域発のメディアを作る
インターネットの普及などで、放送や出版といった東京など中央のマスメディアが厳しい状況にある一方、相対的に地域のメディアが存在感を増しています。東京などで出版や映像、放送の仕事に携わっていた人たちが自分の地元にUターンし、地域のブランディングやプロモーションで活躍しているのです。これまで中央視点のマスメディアではほとんど発信できていなかった地域の特徴が発信され、さまざまなメディアが生まれています。
京都の郊外に人が集まるようにしたい
地域メディアの制作は、地域の活性化にもつながります。例えば、2017年に京都市で行われたワークショップでは、洛外(らくがい)に位置する右京、北、西京、山科、伏見の5つの区を拠点にした5グループに分かれて、それぞれの魅力を発信するメディアづくりが取り組まれました。その特徴のひとつは、雑誌や放送など既存のマスメディアの形にとらわれず、新しいメディアの形を自由に探ることです。京都といえばイメージするところはどこでしょうか。多くの人がイメージするのは「洛中(らくちゅう」と呼ばれる中心部です。もっと京都の洛外に興味を持ってもらいたい。そのためにメディアを構想する必要があったのです。
人と地域のよりよい関係をめざす
ワークショップを通じて発見された洛外の面白スポットを舞台とした小説が、のちに出版されました。洛外の魅力を発信することで、市の中心地に生じているオーバーツーリズムの改善が期待されます。また本の出版が、新たな地域の活動にもつながります。
地域の古いコミュニティでは、外部のメディアの人材が入ろうとしても、「よそ者」とされて対立するなどトラブルが発生することもあります。地域出身者の人脈を活用するなど、メディア人材の技術をうまく地域に取り入れる方法も今後研究が必要です。
※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。
※夢ナビ講義の内容に関するお問い合わせには対応しておりません。