「性格タイプ」で決めつけず、「価値観」で人と豊かにつながろう!
性格タイプって実在するの?
占い、血液型、心理テストなど、「性格タイプ」を診断するツールは多く存在し、人気を集めています。学校でも職場でも、「あの人って△△なタイプだよね」という声がよく聞かれるでしょう。しかし、性格タイプは本当に実在するのでしょうか。人間の複雑な心の動きや行動を簡単に区分できるのでしょうか。かえって、「私とあの人は相性の悪いタイプ同士だから、仲良くなれない!」という思い込みを招くこともあります。もっと柔軟に、人と人がつながりを深められる共通項はないのでしょうか。
「価値観」という軸
国によっても「アメリカ人は陽気」「フランス人は気難しい」などのイメージがありますが、もちろんみんながそうではありません。一方、異なる文化の背景を持つ人同士が「家族を大切にする」「協調性を重視する」など、共通の価値観を持っていることも多いのです。価値観は、その人が何を大切にして生きているかということであり、言語や性別、年齢などの属性を超えた人間共通の「軸」といえます。
ある会社で、うまくいかない上司と部下に価値観について語ってもらうと、意外にもお互いが共通する価値観を持つことがわかり、このプロセスによって、二人の関係は徐々に良くなっていったという事例もあります。
カードを使ったアクティビティ
このように自分と他者の価値観を知ることは、人と人との豊かな関係づくりに役立ちます。ただ、いざ「関係づくりを」というとき、多くの日本人は、自分の価値観を人の前で話すことをためらう傾向があります。また、そもそも自分の価値観をきちんと把握していない人もいます。そこで「協力」「伝統」「自律」など、さまざまな価値観を記したカードを選びながらディスカッションをしてもらうというアクティビティが有効です。これなら初対面の人同士でも楽しみながら対話ができ、自分を正しく知るとともに、見た目や言語での区別を超えながら、相手と「価値観」を軸とする、新たな関係を築くことができるのです。
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先生情報 / 大学情報
神戸学院大学 グローバル・コミュニケーション学部 グローバル・コミュニケーション学科 准教授 クリーグ アレクサンダー 先生
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