チーム医療の実践に必要な「ノンテクニカルスキル」とは?
さまざまな職種に支えられているチーム医療
医療の現場には、さまざまな職種の医療従事者が働いています。医師や看護師、薬剤師、臨床検査技師、理学療法士などです。また、病院の受付などの医療事務職や、院内の清掃など病院の維持に必要な業務を担う人々もまた、医療の現場には欠かせない存在です。
チーム医療を、ヒューマンエラーによる医療事故やトラブルを未然に防ぎながらスムーズに運営していくためには、それぞれの職種の担当者が医療や看護の専門的な能力である「テクニカルスキル」を発揮するだけではうまくいきません。職種の専門性によらないコミュニケーションやリーダーシップ、チームワークなどの「ノンテクニカルスキル」こそが、チームを動かす鍵を握っています。
一人一人の性格をタイプ別に把握する
チーム医療をマネジメントするためのスキルの一つに、自己と他者の性格を把握しておくという考え方があります。スイスの心理学者ユングが提唱した理論を基にした性格分類では、人間の性格は8種類に分けられるとされています。具体的には、心のエネルギーの向け方が「外向」か「内向」か、ものの見方が「感覚」か「直感」か、判断の仕方が「思考」か「感情」かという指標があります。チームの責任者だけではなくリーダーやメンバーも現場の関係者の性格を把握しておくと、具体的にどのように人材を配置するか、運営に際してそれぞれの関係者にどのようにコミュニケーションや気配りをしていくかなどがやりやすくなります。
全員が必要な知識と問題意識を持つ
性格診断はほんの一例ですが、こうしたノンテクニカルスキルはチームの責任者だけが持っていればいいというものではありません。医療従事者の一人一人が必要な知識と問題意識を持ち、互いにフォローし合いながら成長していけるように意思を持つことが必要です。そのために、生活の中のちょっとした場面でも「この問題は、ここをこうしたら改善できるかも」と考える習慣を身につけておくなど、普段からの心がけは大切です。
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先生情報 / 大学情報
常磐大学 看護学部 精神看護学 准教授 福田 大祐 先生
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