ライフスタイルとともに変わる新しい旅のカタチをクリエイトする
劇的に変化し続ける「旅」の形
「旅」と聞いて、あなたはどんなことを思い浮べますか? 働き方改革や価値観の変化、SNSの普及などで、ここ数年で旅という概念が劇的に変化を遂げています。かつて旅行といえば、よく知られた観光地に行き、旅館やホテルに泊まるのが一般的でしたが、最近ではアニメの聖地など、あるテーマに沿った場所を巡ったり、地域の人の家に泊まって交流したり、何か日常とは違うことを体験する旅が人気を集めています。また、民泊が増えるなど宿泊の形も変わってきました。さらに、車や自転車、スペースなどを他人とシェアするシェアリングエコノミーや、宿やレジャー施設などを何度でも使えるサブスクリプション方式など、旅を楽しむための新しい形態も次々に登場しています。
小さな商店街に全国から人が集まる
例えば、女子高生が戦車で戦う人気アニメ『ガールズ&パンツァー』の舞台として、一躍その名を知られることとなった茨城県大洗町(おおあらいまち)には、2012年にテレビ放映されて以来、聖地として大勢のファンが訪れています。地元の小さな商店街では、登場人物の誕生日記念セールなどのイベントが行われています。固定ファンが何度も訪れ、商店街の人たちと家族のように仲良くなるという今までにない現象が起き、またインバウンド(訪日観光客)も増え、地域活性化がグローバルレベルで進んでいます。
国を越えて可能性が広がるさまざまな旅
今や、SNS上であるテーマや趣味で知り合った人同士が、実際に集まって旅をしたりオフ会をしたりと、バーチャルなつながりからリアルな関係をつくりだせるようになりました。国内だけでなく、国を越えてつながることもできます。今後テレワークが企業に浸透していけば、午前中サーフィンをしてから会社に行ったり、連休の合間に旅先で仕事をしたりという「ワーケーション」という働き方も珍しくないことになっていくでしょう。ライフスタイルの変化に応じた魅力的な旅を提案する観光産業の可能性は未来に向けて大きく広がっているのです。
※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。
※夢ナビ講義の内容に関するお問い合わせには対応しておりません。
先生情報 / 大学情報
山梨大学 生命環境学部 地域社会システム学科 観光政策科学特別コース 教授 田中 敦 先生
興味が湧いてきたら、この学問がオススメ!
観光学先生が目指すSDGs
先生への質問
- 先生の学問へのきっかけは?
- 先輩たちはどんな仕事に携わっているの?