喜びを与え、自らも喜びを感じる「ホスピタリティ」
サービスとホスピタリティは異なる
ホテル・旅館、レストラン、テーマパーク、エアラインやブライダルなどホスピタリティ業界では「モノ」ではなく「コト」を売る仕事をします。「コト」を売るとき使われるのがサービスやホスピタリティといった工夫です。ファストフード店など、いつどのお店に行っても確実に同じものが提供されるのが「サービス」で、お客様の状況に応じて臨機応変に提供されるのが「ホスピタリティ」です。ホスピタリティは、お客様に高い満足度を与えるうえでは欠かせないものです。サービスはマニュアル化され、誰もが教育を受ければ提供することができます。それに対して、ホスピタリティはマニュアル化が難しく、自分なりの工夫や仕事への高いモチベーションが必要です。
段階的に身につけるホスピタリティ
ホスピタリティには3つの段階が必要です。最初の段階で求められるのは、商品知識とマナーです。館内の情報だけでなく周辺の観光情報なども丁寧に伝えらえる能力が大切です。次の段階は、正確なサービス能力です。お客様が注文をされたら言われなくても復唱する、グラスが空になったら頼まれなくてもお水をつぐ、といったことです。第3段階はもっと高度になり、お客様の意図を読み取り、それに応じた対応を行います。例えば、館内のある場所を聞かれた時、その場所まで案内するのが普通ですが、時にはそれを好まないお客様もいます。それを察知して、相手に合わせて望ましい対応を行うのです。
お客様の喜びが、自分の喜び
このようなホスピタリティが最も発揮されるのが、従業員がお客様の喜ぶ顔を見て自分も喜びを感じる時です。このわくわく感がさらに踏み込んだホスピタリティを発揮したいというモチベーションにつながります。ホスピタリティ業界で働く多くの人々は、仕事に対して責任感が強く、それが業界を支えています。お客様に喜びを与えて、それによって自分も喜びを感じる人こそ、旅館やホテルのようなホスピタリティが求められる業界に向いているということができます。
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先生情報 / 大学情報
大阪学院大学 経営学部 ホスピタリティ経営学科 教授 テイラー 雅子 先生
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