大人も子どもも「かるた」で学ぶ、楽しい食育

大人も子どもも「かるた」で学ぶ、楽しい食育

楽しい食事環境も重要

食事は大切なものです。そしてどんな食事をとるかと同じくらい、どんな環境で食べるかが重要です。例えば家族で食事をするとき、みんなで黙って食べるよりも、楽しい会話をしながら食べることがとても大事です。人と一緒に楽しく食べた経験は子どもの精神面にいい影響をもたらします。現代の日本では貧困や家庭環境の問題で、家庭で楽しく食べることができていないこともあるので、保育園や幼稚園、学校などの教育の場では楽しく食事をすることが重要です。

「食育かるた」で楽しく学ぶ

食事の場面が楽しくなるためには、食事内容や食事のときのコミュニケーションも大事ですが、子どもたちが食そのものを楽しむことが大事です。そのための道具の一つに、「食育かるた」があります。「食育かるた」は日本各地で作られており、あいさつや食事マナー、地域の特産物なども登場します。千葉県松戸(まつど)市の食育かるた「ぱくぱく家族」には小松菜が出てきます。給食で小松菜が出てきたら、「かるたにあったよね、松戸で沢山とれるんだよ。」というふうに、実際の食事につなげながら学ぶことができるのです。子どもは楽しいと意欲的に学びますから、かるたなどの道具を使って日々食を楽しんでもらうことは、食の知識を身につけるためにも有効です。また、このかるたには裏面に豆知識や解説が載っているので、子どもだけでなく、大人も楽しむことができます。子どもの食環境を整えるのは大人の役割なので、子どもを通して大人を食育することも大事なのです。

食事は文化や伝統を知るチャンス

食事は文化的な側面もあるので、歴史や食文化を学ぶきっかけにもなります。国や地域によって、伝わってきている食文化は違っています。伝統的なものが伝わりにくい現代にあっても、食事は昔のことに触れられるいい機会です。上の世代の人たちが守りつづけてきた、家庭や地域に代々伝わる料理や食文化についても学ぶことができるのです。

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先生情報 / 大学情報

聖徳大学 教育学部 児童学科 教授 祓川 摩有 先生

聖徳大学 教育学部 児童学科 教授 祓川 摩有 先生

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児童学、栄養学

先生が目指すSDGs

メッセージ

もしあなたが子どもの食や栄養に興味があれば、まずは自分自身の食事を楽しんでください。自分の食事を楽しむことができてはじめて、子どもに楽しい食事というものの大切さを伝えられると思います。食事の内容や、一緒に食べる人、会話の内容など、どんな時に食事が楽しかったのか考えてみてください。また、もし、苦手な食べ物があるなら、チャレンジしてみるのもよいと思います。
食に限らず、さまざまな体験や挑戦をして、自分の中の選択肢や引き出しを多く持てるような人になってくださいね。

先生への質問

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