鍼灸(しんきゅう)でスポーツ傷害を治し、体を良い状態に保つ

鍼灸(しんきゅう)でスポーツ傷害を治し、体を良い状態に保つ

鍼灸でスポーツ傷害を治療

ねんざや筋肉痛、肉離れなど、スポーツでケガをした場合、鍼灸(しんきゅう)治療という手段があります。例えば、筋肉に痛みがある場合は、筋肉が硬くなっているので、血流をよくして筋肉を柔らかくします。鍼灸師はまず患者さんに対して問診を行い、痛みのある場所や可動域などを調べ、同時に肌に触れてツボを探します。ツボの場所と効果についての知識は、長い歴史の中で蓄積されてきました。ツボがわかれば、症状によって鍼(はり)、お灸、指圧といった手段で治療を行います。

鍼とお灸、指圧の効果とは

基本的に、鍼とお灸は、どちらも血流を変えるという効果がありますが、鍼は体を傷つけることでからだの治そうとする力(そこに血を集める)を促し、治します。一方、お灸は温めることで血流を改善します。また、お灸には抗炎症作用もあると言われています。鍼、お灸、指圧は、それぞれの症状に応じて選択します。
また、表面に表れる症状だけではなく、根本的な原因を探り、アプローチすることもできます。もし、内臓が弱っていることが原因である場合には、ツボに対して鍼で刺激を与えることで、それを脳がキャッチして内臓を働かせるという方法もあります。鍼灸の治療は、即効性もありますが、からだに無理なく回復に向かわせることができ、また治療後は快適さを感じさせ、心理的にもよい効果をもたらします。

コンディショニングにも有効な鍼灸

鍼灸はケガの治療だけでなく、コンディショニングにも有効です。普段から体をチェックして、発病には至らないものの軽い症状がある状態「未病」を把握したり、激しい練習でたまった疲れを定期的に取り除いたりすることで、ケガを防ぐことができます。また、鍼灸ならば仮にケガをした場合でも、練習をしながら治すことも可能です。このように、自分の体の状態を常にマネジメントすることで、よいパフォーマンスが期待できるのです。

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先生情報 / 大学情報

明治国際医療大学 鍼灸学部 鍼灸学科 講師 谷口 剛志 先生

明治国際医療大学 鍼灸学部 鍼灸学科 講師 谷口 剛志 先生

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スポーツ医学、東洋医学

先生が目指すSDGs

メッセージ

私たちのまわりは情報であふれていますが、そんな時だからこそ行動して経験するということがとても大切です。我々の仕事である“鍼”や“お灸“を用いる治療も聞いた情報だけを頼りに治療するのではなく、対話の中で感じ取れるその方の印象や育ってきた環境、現在の状況なども頼りにしてケガや病気の原因を探り、最適な治療を行なうことがその方にとってのより良い状態(Well being)になると考えています。あなたも、知識を吸収するだけでなく、行動を起こして経験する“知行合一”の精神で色んなことにチャレンジしてください。

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明治国際医療大学は、1983年に日本で初の4年制鍼灸大学「明治鍼灸大学」として開学しました。2008年に現在の名称へ改称し、看護学科、救急救命学科、柔道整復学科、鍼灸学科を有する保健医療分野の総合大学として発展してきました。 学内に附属病院と附属鍼灸センターを併設するほか、学外にも複数の実習環境を整備しています。これらのネットワークを活かし、臨床実習を重ねることで実践力や応用力を養い、人と向き合うことのできる「こころ豊かな医療人」を育成します。