地域の仕組みづくりにも携わっている?! 保健師のやりがいを調査
住民の命と健康、暮らしを守る公衆衛生看護活動
保健師は公衆衛生看護活動を行う専門職(国家資格)です。衛生とは「生(いのち)を衛(まもる)」という意味であり、病気の人も健康な人も、地域で暮らすすべての人を対象に、命と健康を守っていく役割があります。赤ちゃんが生まれたら家庭訪問をして子育ての悩みを聞いたり、健診でメタボリックシンドローム予防の保健指導を行ったりという直接支援のほか、行政職として地域住民の健康を守るための仕組みづくりにも携わります。例えば、一人で子育てに悩むお母さん同士が集まれる機会をつくることで、つながりあえる関係性が生まれます。そして、同じ悩みを抱えている人たちを支援する仕組みづくりにつなげていくのです。
経験年数で変わる行政保健師の職務満足のポイント
行政保健師が生き生きと働くために必要なことを探るべく、職務満足度調査が行われました。すると、「保健師になってよかった」と感じるポイントが経験年数によって変わっていくことがわかりました。
調査によると、経験年数の短い保健師は、人を直接支援して健康課題を解決し、感謝されることに喜びを覚えています。中堅になると、保健師同士が連携して地域の仕組みづくりや事業企画を立案することなどに、やりがいを感じるようになっていきます。ベテランは仕事のマネジメントや、行政の仕組みづくりに参画することにおもしろみを感じていました。
保健師、行政職としてキャリアのはしごを上る
行政で働く保健師には、経験年数に応じて獲得していくべきとされているスキルや知識などのキャリアラダー(はしご状の指標)が設定されています。保健師としてのラダーだけでなく、行政職としてのラダーもあり、行政職としてのキャリアアップも求められます。
保健師は人を支援することで、人に育てられていく仕事だと言えます。加えて、人事異動による人材配置やジョブローテーションにより、ラダーに沿って経験やスキルを積み上げていくことも、保健師が生き生きと働き続けるために重要なカギと言えるでしょう。
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