ウイルス対策として効果的な換気の方法

ウイルス対策として効果的な換気の方法

「空気の通り道」を作る

新型コロナウイルスによる感染症が流行して以降、日常生活の中でウイルス対策が求められるようになりました。室内の空気環境に関しては、個人でできる対策がいろいろあります。室内において、ウイルス対策にもっとも有効なのは、換気です。上手な換気の方法としては、窓を2カ所開けること、そして、窓を大きく開けるよりも少し開けたほうが、空気が入りやすくなります。ホースで水をまくときに、水流を絞ったほうが勢いよく出るのと同じ理屈です。重要なのは、「空気の通り道」を作ることです。また、換気の回数を増やすのも大きな効果があります。化学物質などに対してもそうですが、室内の空気中に漂っているものをなるべく外に出す、というのが換気の基本的な考え方です。

空気清浄機を賢く使う

換気以外には、空気清浄機などを使う方法もありますが、機種によって機能や構造が異なるので、機能に応じて使い方を考えることが大切です。吸込口の位置によって、部屋のどこに置くのが効果的か、ということも変わります。ただし、ウイルス対策では空気清浄機のみに頼らず、換気の補助として利用するのがいいでしょう。一方、化学物質を減らすためには、空気清浄機はかなり効果があると実証されています。フィルターなどに使用される活性炭で化学物質を吸着するのです。

江戸時代には換気は不要だった?

江戸時代までの日本家屋は、密閉性の低い構造だったので、特に意識しなくても「自然換気」で十分でした。マンションなど集合住宅が増え、サッシなどによる密閉性の高い室内になってから、調理の煙や化学物質を排出するため「局所換気」の必要性が増しました。また、省エネルギーや化学物質過敏症の問題など、その時代に起こる問題によって、換気に対する考え方は変わります。
人間は、電車や自動車の中も含めると、生活の8~9割を室内で過ごしていると言われています。室内環境をいかに快適にするかという研究は、とても重要なものなのです。

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東北文化学園大学 工学部 建築環境学科 准教授 一條 佑介 先生

東北文化学園大学 工学部 建築環境学科 准教授 一條 佑介 先生

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環境工学、建築環境学

先生が目指すSDGs

メッセージ

高校の頃の私は日々をのらりくらりと過ごしていて、将来の目標をしっかりと見定めることができていませんでした。そこで、「将来、嫌いなことはしたくないな」という考えから、嫌いなものを省いていって残ったものが、「建築」だったのです。自分はやっぱり建築が好きなのだ、と確認できました。
このように、好きなものを探すというより、消去法で見つけていくという逆転の発想もあると思います。いまは不安を持っているあなたも、大学に入れば、きっと充実した学生生活を送れると思います。ぜひがんばってください。

先生への質問

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東北文化学園大学に関心を持ったあなたは

東北文化学園大学は、仙台・国見の丘にキャンパスを持ち、医療・福祉・社会・経済・工学・情報の幅広い学びができる総合大学です。「実学教育」を教育理念に掲げ、専門職業人を育成する大学です。2021年4月から新しい学部を設置し、学際的な教育環境がさらに充実しました。また、「キャリアサポートセンター」の就職支援と相成って、例年高い就職率を誇り、卒業生は各業界で高い評価をいただいています。