特定看護師が、チーム医療のキーパーソンとして期待されている!
医療・看護の質向上を担う、特定看護師とは?
看護師の仕事は「療養上の世話」と「医療の補助」で、特に日本ではこれまで、入院患者さんの症状を観察したり、環境の整備や食事の世話などといった「療養上の世話」が本来業務とされ、「医療の補助」は医師の指示のもとに行うため、実施できる医療行為の範囲が限られていました。
その範囲を拡大しようと始まった取り組みが、「特定看護師の研修制度」です。正看護師として5年以上の経験があることなどの条件をクリアした人が、高度な知識と技術が特に必要とされる呼吸器の気管チューブや心臓のペースメーカーの操作、管理などの「特定行為」について、指定研修機関で2年間の教育を受け、試験に合格すれば特定行為を行うことが認められます。
これからの地域医療で活躍が期待されている
高齢化による医療と介護のニーズが増える一方、地域医療における医師不足は深刻です。これまで医師の指示なしでは行えなかった医療行為ができる特定看護師が増え、地域の医療現場で活躍できれば、安全で効果的な医療や看護を、効率的に提供することが可能になります。それは地域医療を支え、在宅療養を望む患者さんの安心にもつながると、期待が高まっているのです。
医療現場で求められる優秀な看護師
医学の進化は著しく、新しい治療法や技術開発の目覚ましい分野です。例えば高度化が進む外科手術の場や、迅速な処置と対応が必要な救急医療の現場で、医師と患者さんをつなぐ看護師には高い知識と技術が求められ、特定看護師の育成が急務とされています。特定看護師は、医師と看護師などの医療の専門職を1つにまとめる、チーム医療の要としても注目されています。
厚生労働省は2025年までに10万人以上の特定看護師を養成する意向を示しています。医療の「真ん中」で、地域医療の核として、エキスパート看護師ともいえる特定看護師の活躍は、社会インフラの一角を担う重要な存在として、大きな期待が寄せられているのです。
※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。
※夢ナビ講義の内容に関するお問い合わせには対応しておりません。
先生情報 / 大学情報
東北文化学園大学 医療福祉学部 看護学科 教授 渡邊 隆夫 先生
興味が湧いてきたら、この学問がオススメ!
看護学先生への質問
- 先生の学問へのきっかけは?