悩める看護師をサポートし、医療の仕組みを改善する看護管理
看護師も悩みを抱えている
看護職の役割は患者さんをケアすることですが、看護職自身も悩みや課題を抱えています。その解決に向けて一緒に考えて働きやすい環境を創っていくのが看護管理者です。医療の高度化にともない看護職にも専門的な知識と技術が求められます。また現在は医師、看護師、薬剤師、栄養管理士、介護士などの多職種によるチーム医療が中心なので、それにともなうコミュニケーション不足も新たな課題となっています。
悩みを解消する研修
このような悩みや課題に対しては、早期に問題を発見して対処することが求められます。チーム・メンバーが発するSOSのサインに気づき、SOSの中身と丁寧に向かい合うことが重要です。そのために行われているのが中間管理職を中心としたサポートの仕組みと研修です。資格を取る前の基礎教育で不足している部分を補うための継続教育も充実してきました。また、新人に対しては先輩とペアを組んだり、チームでフォローしたりして、働きながら成長を支える体制を整えています。一方、チーム医療で重要なのは、患者さんの課題や目標を共有していくためのカンファレンスやクリニカルパスといった仕組みを活用していくコミュニケーション技術です。これは各部門の連携や医療の質を高めるためにも重要で、これらの仕組みの責任者である中間管理職に対してもさまざまな研修プログラムが整備されてきています。
働きやすい環境へ
看護職の環境は変化しています。認定看護師や専門看護師などの高い専門領域をめざす人もいれば、さまざまな部門での経験を活かせるジェネラリストをめざす人もいます。働き方も多様化し、子育て中の看護師の再就職も容易になっています。仕事が多様になれば新たな研修や仕組みづくりが必要です。例えば看護職のストレスは、昔は自分自身で解決することが当たり前でしたが、現在は組織対応する法整備がされています。しかし法律ができれば解決するわけではありません。社会の仕組みを現場で働く一人ひとりが輝く仕組み創りに活かすために看護管理学があるのです。
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先生情報 / 大学情報
高知県立大学 看護学部 看護学科 教授 久保田 聰美 先生
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