みんなが幸せを感じる、スポーツとの関わり方を考える
「スポーツが好き」とは?
一口にスポーツが好きといっても、スポーツへの関わり方は人それぞれです。競技者としてスポーツをする人だけでなく、観戦が好きな人、大会の運営を支えるボランティア、ジムやスポーツクラブの経営者など、競技者を応援し支援する人もいます。また健康増進やストレス解消、友人を作るためにスポーツを楽しむ人もいます。観戦の仕方も、会場で楽しむ以外に今は自宅で楽しめるスポーツチャンネルが多いですが、それは調達した資金で放映できる環境が整えられたおかげです。これらの人々はスポーツに高い価値を見いだしていますが、関わり方は千差万別です。
価値観で分けるやり方も
1つのスポーツに絞っても、それに対する価値観はさまざまです。例えばテニスクラブに入ると、初級や上級などレベルに応じたクラスに振り分けられます。ところがクラスの中には、体力づくりやストレス解消を目的としていて、みんなで楽しくできればそれで良いと思っている人もいれば、競争が好き、上達して強くなりたいと思っている人もいます。同じレベルでも人それぞれ、いろいろな動機があるのです。そんな人々が一緒に練習すれば、たいてい「満足度が低い」という結果に陥ります。これは異なる動機、価値観が引き起こすものです。この場合はレベル別のほかに動機別のクラスを用意するなど、満足度や実施効果を高めるための方法を探ることが大切です。
より価値を高めるために
一方で、スポーツに価値を見いだせない人もいます。そのような人の立場に立って、価値を見いだせるような仕組みを考え、構築する必要があります。多様な価値観を尊重し、「楽しい」と思える人が増えれば、スポーツの価値はさらに高まります。また効率的な集客方法や開催するイベントの効果をより高めるなど、スポーツ全体の運営を支える仕組みも重要です。スポーツに関わる誰もが「幸せ」と感じられる仕組みを考え、整えていく「スポーツマネジメント」は、スポーツの普及・振興のみならず、人々の生活を豊かにする上で重要な役割を担っています。
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先生情報 / 大学情報
福岡大学 スポーツ科学部 スポーツ科学科 講師 霜島 広樹 先生
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