「ものづくり」は人の願いをカタチにする最強のスキル

「ものづくり」は人の願いをカタチにする最強のスキル

「ものづくり」とは?

近頃、さまざまな現場で働くロボットのニュースをよく聞きます。近年はAI(人工知能)が注目されていますが、そのAIも機械やロボットなどのハードウェア(本体)がないと人のお手伝いができません。例えば、庭の草むしりが大変な高齢者のお家にAIだけあっても、草を刈ってくれないですよね。草を刈る機能を持ったロボットにAIを搭載することで、草が生えている場所を自動で検知し、草を刈ってくれるのです。「ものづくり」とは、そのロボット本体を設計して製作することを言います。

「ものづくり」の可能性は無限大

こうしたロボット製作をはじめとした「ものづくり」は、困っている人の「あったらいいな」という希望をかなえます。もし介護施設職員の、「人を持ち上げる作業を手伝ってくれたら、職員が腰痛にならずにすむのに」というつぶやきを聞いたら、職員の代わりに介助してくれるロボットを考えてカタチにできます。もし体育の先生の「練習用のコーンを並べる作業が大変」という一言を聞けば、コーンを等間隔に並べるには、こういう構造にしたらうまくいくかもというアイデアを考え、カタチにします。どんな分野でも、「あったらいいな」をカタチにできる「ものづくり」の持つ可能性は、無限大です。

人がAIより優れているところ

当然ながらロボットは、人が作業するのに危険な場所でもその能力を発揮します。災害救助でケガ人の搬送は、担架を使って足場の悪い現場を2人がかりで行いますが、人を搬送するレスキューロボットがあれば、1台で済みます。また現在世界中で行われている有人月面探査計画では、宇宙である月面で土木工事のできるロボット開発が進行中です。こうした過酷な環境で活躍できるロボットも、「ものづくり」技術があるからこそ、実用化ができます。
いずれ人間の仕事はロボットやAIに奪われると懸念する人もいます。しかし、何もないところからアイデアを形にする作業は、人間にしかできないのです。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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先生情報 / 大学情報

福井工業大学 工学部 機械工学科 教授 岩野 優樹 先生

福井工業大学 工学部 機械工学科 教授 岩野 優樹 先生

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ロボット工学、機械工学

先生が目指すSDGs

メッセージ

今のうちに、できるだけたくさんの失敗を経験をしておきましょう。私の専門はロボット工学ですが、最初から思い通りに動くことはほとんどありません。大切なのは、失敗の原因を一つ一つ分析して振り返り、どうすれば良いかと一生懸命に考えて、最後まで諦めずに取り組むことです。そうして何度も改良を重ねることで、思い通りに動くロボットは完成するのです。これは勉強でもスポーツでも、大人になって働き始めてからも言えることです。失敗した時こそ、あなた自身のレベルアップのチャンス!と思ってそれを乗り越えましょう。

福井工業大学に関心を持ったあなたは

福井工業大学は、「創造力」「人間力」「共生力」の3つの力を育むための豊かな人間教育を実践しています。工学部・環境学部・経営情報学部・スポーツ健康科学部の4学部8学科が設置されています。
テクノロジーが世の中を劇的に変え、時代を力強くリードしている今、未来社会の鍵を握るのは、AI・IoT・宇宙工学・科学をはじめとするジャンルのテクノロジストです。FUTの教員と学生たちは、いまこの瞬間も社会がおどろくようなプロジェクトを推進し、未来を大きく動かそうとしています。