スポーツを楽しむために「大切なこと」:インテグリティ
スポーツ・インテグリティとは
スポーツにはさまざまな楽しみ方や関わり方があります。その中でドーピングや暴言・暴力などスポーツの価値を脅かす行為などから、スポーツを護る取り組みを進めるために、「インテグリティ」という言葉が着目されるようになりました。この日本語訳は多様で、「真摯さ、誠実さ、健全、品位、高潔性」などがあります。また、この言葉は、倫理観やそれに基づく行動の重要性などから、経営学や医学あるいは科学など多くの分野でも大切にされ活用されています。
ルール形成の視点から考える
スポーツがさらに発展していくためには、参加者の合意が重要です。特に、オリンピックやパラリンピック大会など多くの人が集まり競い合う大会では、多様な人々が楽しみや喜びを分かち合うための原則を考え、合意していく仕組みがあります。このような仕組みづくりにおいて、歴史や文化、あるいは存在価値、あるべき姿などと哲学的に向き合うことも大切です。また、多様な人たちが「安全に活躍できる」観点も重要です。ラグビーのゲームであれば、背の高い人、小柄な人、俊敏な人、力持ちな人など、異なった特徴や特性を持った人が安全に活躍できる場面をつくることが心掛けられています。「安全」や「公平」、「多様性」などといった原則を基に、ルールは具体化され運用されていきます。
安全・健全の視点から考える
危険なプレーは当然反則です。それは対戦相手だけではありません。例えばラグビーのラインアウトで行われる味方を持ち上げ支えるリフトでは、味方を安全に地上に降ろさないと反則です。一方、テクノロジーの導入も、競技の魅力を伝えることや、審判の判定支援だけではなく、スポーツの安全性や健全性を守る方法のひとつです。今後、安全・安心、健全・健康、公平・公正などといった視点からスポーツインテグリティの取り組みは、さらに進められていくでしょう。
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