ダイエット、認知症予防、運動機能向上のカギは、心拍や脳にあり!
ダイエットが成功する心拍数がある
「ダイエットしよう!」。そう思ったとき、100メートルのダッシュを3回するのと、軽くジョギングするのとでは、どちらが痩せるでしょうか。正解は、軽いジョギングです。実はダイエットのカギは心拍数です。脂肪が一番燃焼する心拍数は、120~130で、20分くらい続けられる程度の軽い運動の方が向いているのです。最近は心拍が計測できるスマートウオッチを使って、健康管理に役立てる人も増えてきています。このように、心拍や体温、血流、筋力などの生体情報に、テクノロジーの技術を掛け合わせることで、健康の向上や医療の診断・治療に有効なものを見つけようとするのが「生体医工学」です。
記憶力アップのカギも心拍が握っている!
心拍は、認知機能とも深い関係があります。例えば、英単語を覚えるなどといった記憶力の向上に一番よい心拍数は100程度です。ウォーキングしているときがちょうどそのくらいですので、座ったままより歩きながら覚えた方が効果的といえます。自転車で30分間走ったときの心拍数も100程度ですから、これを週2回程度の運動習慣にすると、認知機能はさらに向上します。このような有酸素運動は、認知症予防にもつながることもわかっており、脳機能との関係は、超高齢社会においてますます注目を集めています。
イメージができるようなアドバイスを
脳機能は脳の血流や脳波を計測して分析します。ある実験では、子どもにマット運動の前転や側転のイメージをしてもらい、そのときの脳の血流を測りました。すると、マット運動が苦手な子どもほど、脳が活性化していない、つまり運動のイメージができていないことがわかりました。これにより運動の指導方法は、子どもが頭の中でイメージを組み立てやすいようなアドバイスやアプローチが大切だといえます。このようにデータやエビデンス(根拠)に基づいた情報は、ものごとへの正しい取り組み方を明らかにしてくれるのです。
参考資料
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奈良女子大学 工学部 工学科 准教授 中田 大貴 先生
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